元気印のインテグレータ
<元気印のインテグレータ>第37回 NECネクサソリューションズ
2003/03/24 16:04
週刊BCN 2003年03月24日vol.983掲載
サーバー2003で自社ソフト検証
NECネクサソリューションズ(大河原誠一社長)は4月以降半年間で、マイクロソフトのウィンドウズサーバー2003(以下、サーバー2003)上で自社ソフトウェアの動作検証や、サーバー2003対応の認定技術者の育成に本腰を入れる。同社は、ウィンドウズ2000サーバー上で稼働する独自の業務ソフトウェアを多数もっているが、現時点で「完全に動作検証が完了したと宣言できる」ものは、まだほとんどないのが実情だ。まずは、新年度上期(4-9月)に1000万円ほどの予算を投じて、順次、サーバー2003上で正常に動作するよう修正を加える。
同時にSE(システムエンジニア)の養成も並行して進める。現在、同社には約1600人のSEが在籍。このうち、最新のマイクロソフトの認定技術者試験をパスしている人数は約200人。具体的にはウィンドウズ2000関連のMCP(マイクロソフト認定技術者)が中心だ。これを5月にも登場する見通しのサーバー2003に移行する費用が発生する。
MCPの受験料は1科目1万5000円だが、この科目の試験に合格するためには、「一般的に受験料の10倍の授業料が必要」(宮越一郎・営業推進部マネージャー)という。1人当たり15万円の授業料として、200人規模のサーバー2003対応のSEを教育するとすれば、合計で約3000万円の費用がかかる。
先のソフトウェアを修正する費用の1000万円と合わせれば、4000万円が必要だ。さらに、顧客にサーバー2003を使った斬新なシステムを提案・構築する際は、どうしてもマイクロソフトからの技術的な支援が必要となる。この技術支援は、一般に「テクニカル・コンサルティング・サービス」などと呼ばれ、案件当たり数百万から1000万円以上の費用がかかることもある。
サーバー2003を使ったトップクラスのシステムプロバイダになるには、まず“先立つモノ”がいる。宮越マネージャーは、「それでも、(1)最先端の技術をもつことによる競争力確保、(2)マイクロソフトの大々的なプロモーション(販促活動)と歩調を合わせることによる宣伝効果、(3)新規顧客の開拓――などで利益がある」と踏んでいる。
本来ならば、「.NET推進室」などの専門部署を開設するのが理想。だが、社内には.NET派やJava派もいて、ソフト開発の基本的な基盤は、Java系が多い。「当社のマイクロソフトとの協調路線は変わらない」ものの、一筋縄ではいかないのが実情のようだ。(安藤章司)
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