大航海時代
<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第62話 ベトナムのビールはうまかった
2002/12/16 16:18
週刊BCN 2002年12月16日vol.970掲載
水野博之 高知工科大学 副学長
ベトナムのビールはうまい。700万台のバイクの群を必死の想いで(?)くぐり抜け、大汗をかいてホテルにたどりつき飲むビールのうまさはベトナムならでは。もちろんいろいろなビールがあるのだが、「333」(サンサンサンとむこうの人は発音する)ビールがとくによく合う。
軽いビールだが、水代わりにちょうどよい。あまりによくベトナムの気候に合うので、「地場のビールですか」と聞いたら、「イエス、イエス」という返事がかえってきた。
もっともこの国では英語がまだ十分通用しないから、何でも「そう、そう」でちょっと怪しいところがあるが…。
我が友人のサゼスチョンでは、歯磨きの水もビールも、日本人の腹にはこたえるからベトナム製は敬遠した方がよいということであったが、あたろうがあたるまいがこのうまさには代えられぬ。ガブガブ飲むうちに、「700万台なにするものぞ」という壮大な気運になる。
それにベトナム料理があれば鬼に金棒である。いよいよ気宇が盛り上がった頃に、ベトナムの音楽家たちが現れる。北のほうから来た少数民族の人たちだ、というが、楽器は琴と木琴である。
まず演奏されるのが「北国の春」である。そういえば、どこに行っても「北国の春」だらけだ。ショッピング街も、喫茶店も「北国の春」で満ち満ちている。どういうことかねぇ、この南の国で北国の春とはねぇ。歌詞なんて知ったことじゃねぇや、ということなのだろう。千昌夫さんも、もって瞑すべきだろう。
そういえば千昌夫さんもアントレプレナーだったな。美しい外人の奥さんをもらったり、ホテルを買い占めたり。いまは大変だろうが、アントレプレナーに失敗はつきものだ。1回や2回の失敗にへこたれないで再起して欲しい。
女房曰く。「もう再起しているわよ。次の外人の奥さんとの間には子供ができたわ」 (旧官邸にて
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