変わるかシステム入札

<変わるかシステム入札 第二章>官公庁での外注割合

2002/11/04 16:18

週刊BCN 2002年11月04日vol.964掲載

 総務省は、今年9月、e-Japan重点計画に基づいた2001年度の各府省における情報システム関係業務の外注化の実施状況について調査した結果をまとめた。外注化を実施することで、職員業務の省力化や、専門家を活用しているなど結果が出ている。外注化が促進されることで、業者としてはビジネスチャンスが拡大することになるが、果たしてどの程度外注化は進展しているのか。

増加傾向で効果も

 e-Japan重点計画では、「国の行政機関における情報システム関係業務の外注の推進について」として、00年3月に行政情報システム各省庁連絡会議において、03年までは計画的、重点的にアウトソーシングを実施することを決定している。今回の調査はそれをふまえ、01年度における各府省の情報システムの外注化の実施状況を調査した。

 外注の内容としては、設計・開発段階から、運用段階まで情報システム関係業務すべてを外注する「一括役務調達型」、運用部分のみ外注する「運用役務調達型」、企画および設計・開発のみを外注化したり、運用会計業務の一部を外注化する「各種業務一括実施委託型」の3つに分類される。

 業者側としては、「外注が増加していくのは歓迎」という声があがる。とくにシステムの設計・開発、ヘルプデスクのアウトソーシングについては外注化することが重点項目とされているが、本連載で多くの識者が「外注していくべき」と明言している分野でもある。

 今回の調査では、一括役務型が52件で15.7%、運用役務調達型が56件で16.9%、企画から開発における各種業務一括実施委託型が147件で44.3%、運用部分の各種業務一括実施委託型が77件で23.2%という割合となった。

 効果としても、システムの企画・設計について外注化を実施した場合、「必要な要件が精査されるとともに、システム構築にかかわる有益な助言などを迅速に得られた」(金融庁)といったプラス効果があらわれている。

 ヘルプデスクについても、「職員の業務負担が軽減された」(国土交通省)と明らかなプラス効果があらわれている。

 民間企業では、企画や管理といった部分だけ社内に置いて、後は外部を活用する企業が増加している。官公庁についても、さらに外注を活用していくことが求められる。(三浦優子)
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