大航海時代
<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第54話 教育がおかしい
2002/10/21 16:18
週刊BCN 2002年10月21日vol.962掲載
コナミ 取締役 水野博之
去る9月末、応用物理学会主催で「日本の科学教育」について大討論会が学習院大学において行われた。出席してみて驚いたのは、日本の教育がなんだかおかしな方向に進んでいるのではないかと実感させられたことだ。教育と言えば、文部科学省に任せておこう、というのが一般の人たちの気持ちであろうが、これはちょっと考え直したほうがよい。大体、明治以来百数十年、なにもかも政府任せでここまできた。そのなかにはかつて世界の歴史にもないような経済的な成果もあったが、今はその反動として世界中から「日本はどうなったのだ」と呆れられるくらいの不振をかこっている。もう、そろそろ「お上」頼みは止めようと言いながら、なかなかそうもいかないのが日本の現状である。
念のために言っておくが、政府も手をこまねいているわけではない。政府なりに一生懸命やっていることは間違いない。しかし、現状を見ればとても「結果よし」と言うわけにはいかない。これは要するに、今までのやり方ではとても国民の総力を結集できなくなったということだ。
日本の大改革はこれまでの官主導から民主導へと移らなければならないところにきているということだ。国民もお願いばかりしていないで、自ら参画する意志をもたんといかんだろう。教育の問題もそうだ。新しい時代には、新しい教育法が必要であることは当然だが、そのあり方は一部の人たちの論議だけではなく、国民全体が参加すべきものだ。あなたの子供達の話なのだ。
米国におけるIT革命の火付け役はPTAのコンピュータ教育の要望にあったことを忘れてはならないだろう。皆さん、学校は楽しかったですか?役に立ったと思いますか?こう自問自答をしてみると、それぞれに言いたいことは山ほどあるに違いない。次の世代のためにそれを語るところから始めよう。(学習院にて)
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