元気印のインテグレータ

<元気印のインテグレータ>第15回 CRCソリューションズ(上)

2002/10/14 16:04

週刊BCN 2002年10月14日vol.961掲載

年商一千億円にこだわる

 5年以内に年商1000億円を目指す――。CRCソリューションズの杉山尋美社長の目標は明確だ。今年度(03年3月期)の売上見通しが535億円(前年度比6.5%増)、経常利益40億円(同11.9%増)の同社にとって、年商1000億円への道はまだ遠いものの、「目標到達への戦略は、私なりにはほぼ見えている」と自信を示す。

 伊藤忠グループのCRCソリューションズは、データセンター運営およびソフトウェアの受託開発を中心に手がける。データセンター運営の売上構成比が46.2%、ソフト受託開発が同27.5%、その他をシステム販売などが占める。コンビニのファミリーマートの情報システムの受託運営などをはじめ、伊藤忠のグループ企業からの受注が全体の約4割を占める。

 ファミリーマートを含めて、顧客企業は大手中心の数十社のみ。既存顧客からの発注だけで年間500億円以上売り上げ、今年9月、東証一部に上場した。コンビニやガソリンスタンドのPOSシステムの受託運営など、流通業界の情報システムに強く、この分野の売り上げが全体の36.5%を占める。

 伊藤忠商事で航空宇宙畑を歩いてきた杉山社長は、今年6月にCRCソリューションズ社長に就任。着任早々に掲げた目標は「5年以内に年商1000億円企業に成長する」。理由は簡単。「この業界で存在感を出すには、最低でも年商1000億円は必要だから」。

 「私は、CRCソリューションズの前身の伊藤忠電子計算サービス時代からこの会社を知っている。当時、私が所属していた航空宇宙部が58年に立ち上げた会社で、その後は、同部の隣にあった電算担当の課が計算サービスを請け負った。ここ2-3年で雨後の竹の子のように増えたデータセンターとは比較にならないノウハウがあり、年商1000億円を叩き出す潜在力がある」と胸を張る。

 だが、データセンター運営とソフトの受託開発だけで年商1000億円を達成する企業はそうそう多くない。いくらバックに伊藤忠グループがついているとしても簡単ではない。

「伊藤忠テクノサイエンス(CTC)のようにハードウェアやソリューションを販売すれば、1000億円は比較的容易に出せる。しかし、それは当社のやり方ではない」と言い切る。

 では、どういう「やり方」で目標達成をするのか――。次号ではCRCソリューションズのビジョンを探る。
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