変わるかシステム入札
<変わるかシステム入札 第二章>マイクロソフト
2002/10/07 20:43
週刊BCN 2002年10月07日vol.960掲載
大型トレーラーで全国行脚
「声をかけてくれる地方自治体へ、できるだけ積極的に出向いていきたい」──。マイクロソフト・眞柄泰利取締役は、トレーラーで全国をキャラバンする意味をこう力説する。すでに一部の自治体からは、「ぜひ来て欲しい」とのリクエストがあるという。市町村など地方自治体の電子政府化というマーケットは、これからが本番。ベンダーとしては、少しでも現場に近いところで存在をアピールしたい。
ところが、マイクロソフトの地方拠点は全都道府県にあるわけではない。全国に拠点をもつNEC、富士通といった国産ベンダーの地方拠点数に比べると大幅に少ない。
「今のところ、全都道府県に拠点を置くという選択はしない。その代わりと言ってはなんだが、ITトレーラーによってこちらから出向いてアピールを行う」と眞柄取締役は説明する。
ITトレーラーは10トン車と巨大で目立つ上に、外観は「マイクロソフトIT体験キャラバン」と描かれ、走っているだけで目を引く、走る広告塔だ。
マイクロソフトが巨大トレーラーを走らせるのはこれが初めてではない。かつてワープロ市場でのシェア向上を狙い、全国を大型バスで巡ったことがある。
当時の担当は、現社長である阿多親市氏。「マイクロソフトがワープロ市場で、本気でシェアを獲得しにいく姿勢を示す」と、その取り組みを強調していた。それだけに、「今回トレーラーを利用することについては、その効果をよく理解しているだけに、すぐに認められた」(眞柄取締役)という。
セミナースペースに改造されたトレーラー内では、山梨県甲府市、北海道室蘭市、島根県宍道町、福井県丸岡町という4つの地方自治体のIT化成功事例のビデオを上映する。
トレーラーが到着した現地で、このビデオを目の当たりにした地方自治体のマイクロソフトへのマインドシェアがどれくらい変化するのか、大きな注目点となりそうだ。(三浦優子)
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