変わるかシステム入札

<変わるかシステム入札 第二章>カテナ(下)

2002/09/30 20:43

週刊BCN 2002年09月30日vol.959掲載

 カテナでは、昨年10月から官公庁市場への挑戦を続けているが、現在のところ成果は出ていない。しかし、今年度に入り担当人員を増員するなど意欲的だ。官公庁市場に挑戦する意図はどこにあるのか。小宮善継社長にその狙いを聞いた。

新規企業参入しやすい入札を

 ――官公庁市場への新規参入は容易ではないようだが、それにもかかわらず挑戦を続けているのはなぜか。

 小宮
 市場がそこに存在する以上、挑戦すべきだと考えている。山がある以上登るべきだということだ。当面はチャレンジを続けていく。

 市場に参入したのは昨年10月で、まだ落札した案件はないものの、応札できる案件が徐々に出てきた。少しずつ、前進していると考えている。

 ――実際に入札に参加して、どのような部分を改善して欲しいと感じているか。

 小宮
 情報が足りないので、できるだけたくさんの情報が出てくることが有り難い。

 参入当初、参加基準となる当社の役務ではA等級になっているものの、応札さえできない状況が続いた。そこでどこに問題があるのか、確認をしようにも圧倒的に情報が足りず、かなり苦しい状況が続いた。

 当社が出した価格が落札された価格に対しどの程度高すぎたのか確認しようにも、落札価格や、システムがどういったものかといった情報さえなかった。

 ――米国では落札したシステムのスペック、価格が公開されていると聞く。

 小宮
 日本でもそうなってくれると非常にありがたい。

 新規参入企業にとっては、自分たちが正しい方向に進んでいるのかを確認できるだけでも参考になる。

 ――東京都の担当者に、入札の状況について意見を求めたそうだが。

 小宮
 東京都だけでなく、中央官庁でも話を聞いた。

 新規参入企業が厳しい環境に置かれていることは把握してくれていたし、その点を改善する必要があると感じてくれているようだ。

 だが、すぐに状況が変わるとは考えていないということだった。

 ――e-Japanを推進していくにあたり、ベンチャー企業の育成がうたわれている。しかし実践されているとはいえない。

 小宮
 国が新しいIT企業を育てていくという視点をもつのであれば、最初の入札段階での敷居を高くするのではなく、多くの企業が参加できるようにしてほしい。そして、完成したシステムに対する評価こそ厳しくするべきだ。入り口面が厳しすぎると新規企業には障壁が高すぎる。

(三浦優子)
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