サイバーテロへの備え

<サイバーテロへの備え>第10回 個人情報

2002/09/09 16:18

週刊BCN 2002年09月09日vol.956掲載

 最近、マスコミなどでも大きく取り上げられるようになってきた個人情報ですが、そもそも「個人情報」って、いったいなんでしょう。どういう情報が個人情報で、どういう情報は個人情報ではないんでしょうか。ここでは大きく構えて、「特定の個人に付随するすべての情報」は個人情報であると考えたいと思います。住所、氏名、電話番号、性別、生年月日、勤務先、趣味嗜好、星座、血液型、資格、使っているパソコン――などなど、いくらでも例は挙げられます。顔写真とか、身長体重、その他からだのサイズや特徴、特定の事柄に関する意見なども当然含まれるでしょう。

 ここでひとつ言っておきたいことがあります。たとえ自分自身にとって取るに足らない情報であっても、特定の個人と結びついた情報というのは何らかの利用価値がある、ということです。さまざまな企業などが、懸賞などによってコストをかけてでも、この種の情報を集めることに熱心であることを考えれば、納得できるのではないでしょうか。インターネット上では個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。最近多発しているウェブサイトからの個人情報流出事件などを見ても、他人に安易に自分の情報を渡してしまうことの怖さがうかがい知れると思います。

 インターネット上で流出した情報は、さまざまな形でインターネット上に居座り続けます。いったん流出してしまった個人情報は、もう取り戻すことは不可能です。そのことをきちんと頭に入れた上で個人情報の取り扱いを考えてみましょう。そう、深く考える必要もありませんね。「安易に自分の個人情報を公開しないこと」です。それがたとえ有名な大企業でも、その個人情報がどのように管理されるのか、「プライバシーポリシー」などによってきちんと確認できない場合には、公開してはいけません。個人情報の流出によって、最大の被害をこうむるのは自分自身なのですから。

 また、インターネットを利用したアンケートの場合、そのサイトの管理者は、集まった情報の管理に(技術的な面と利用方法の面と両方で)十分注意していただきたいと思います。これまでに報道された流出事件は、単純なサーバーの設定ミスや安易な情報管理によるものがほとんどです。特に技術的な面での管理方法に関しては今すぐにでもチェックして欲しいものです。次回以降はまとめとして、実際のセキュリティ対策について、これまでの話を振り返りながら書いていきたいと思います。(警察庁情報通信局技術対策課 課長補佐 野本靖之)
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