人材流動化の時代
<人材流動化の時代>第7回 情報処理技術者試験に80万人が挑戦
2002/08/12 16:04
週刊BCN 2002年08月12日vol.953掲載
同本部の資料でも指摘しているが、日本のIT人材の問題点は、中級以下の人材のレベルは厚いが、上級、最上級になるにつれて層が薄くなることだという。
民間資格のレベル別合格者の分布を見ると、世界では最上級レベルに2.1%の人材がいるのに対し日本は0.9%、上級レベルは世界の19.4%に対し10.8%、それが中級になると世界の64.1%に対し日本は82.9%に上昇する。その他は世界の14.4%に対し5.4%である。
日本は明らかに高度な人材が不足し、いびつな構成になっているわけだが、こうした人材の育成には大学や大学院での教育と、社会人を対象にした資格認定試験が機能している。
大学や大学院の場合、2000年度には、IT関連修士課程修了者は1万3509人(99年度は1万2650人)、博士課程は1637人(同1568人)だった。
一方、社会人を対象にした資格試験として認知されているのは経済産業省系の情報処理技術者試験センターが実施している情報処理技術者試験がある。
参考までに記すと、情報処理技術者試験の受験者数と合格者数は、99年が70万4969人受験して9万2781人合格、00年は78万4912人受験して9万3492人合格、01年は78万8443人受験で10万7048人合格している。
IT業界で生きる以上情報処理技術者資格は必須との見方は高まっており、受験者は98年までの50万人台から99年に激増一気に70万人の大台に乗った。試験は、春、夏の2回に分けて実施されているので、1回の受験者は40万人前後である。
ちなみに、同試験の区分はソフトウェア開発技術者、テクニカルエンジニア(データベース、システム管理、エンベデッドシステム)、初級システムアドミニストレータ、システム監査技術者、基本情報技術者、上級システムアドミニストレータなど多岐にわたる。
履歴書に書ける公的資格として認知されていることが強みとなっているが、一部の高度な資格を除き基本的には中級技術者の育成が大きな目的になっている。(石井成樹)
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