変わるかシステム入札

<変わるかシステム入札 第二章>自治体情報政策研究所(上)

2002/07/29 16:18

週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載

 個人で地方自治体のあり方を提言するサイト「自治体情報政策研究所(http://www.jj-souko.com/)」を運営する黒田充代表。大阪府松原市役所に勤務した経験をもち、自治体の電子化に対してさまざまな意見を発表している。(三浦優子)

主体的な自治体は少ない

 ――黒田さんのサイトは、個人で運営しているものと思えないくらい情報量が多いですね。

 黒田
 自治体のあり方に意見を述べるにしても、自分の考えを表明する必要があると思いました。

 昔ならノートに自分の考えをまとめるのでしょうが、今はインターネットがあります。自分のホームページを通して多くの人と情報共有を行うのが望ましいと思ってサイトを始めました。

 無料でこれだけの情報を公開してどうするという質問をよく受けます。しかし、このサイトを見て「話を聞きたい」という仕事の依頼を受けるケースもあるんです。

 ――自治体の電子化が進んでいます。この状況をどう見ていますか。

 黒田
 横須賀市のように主体的にやっているところはごく一部で、後はつきあいでとりあえずというところが多いのが実状でしょう。多くの自治体は、電子化の必要性を感じていないのではないかと思います。

 例えばホームページですが、隣もやっているからという感覚のところが多い。広報紙をそのまま掲載しただけで、インターネットの特性を生かして情報を出しているものは少ないですね。

 ――なぜ、意味あるホームページが少ないのですか。

 黒田
 インターネットがどういうものか、その意味を理解しないで単純にホームページを作っているケースが多いからではないでしょうか。

 ホームページを作成する際に、通常のパソコンスクールでその技術を学ぶのと同じ行程だけで済ませている自治体が多いと思います。本来は、なぜ自治体がホームページをもつのか、その意味を理解する学習があってしかるべきでしょう。

 ――IT業界側でもそうした電子化の真の目的に対する考慮はすべきでしょうね。

 黒田
 そういう考慮をしてもらえば助かります。もっとも、案外自治体側でそういう時間は不要だと排除してしまうケースも少なくないようです。

 IT業界側に配慮をお願いしたいのと同時に、自治体側でも考え方を変える必要があるといえるでしょう。
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