大航海時代
<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第42話 難波の國に息づくもの
2002/07/22 16:18
週刊BCN 2002年07月22日vol.950掲載

日本の第1次大戦後の復興はガチャ万景気と呼ばれた紡績から始まったものだ。ちなみにガチャ万というのは紡機がガチャンと一回りすると1万円儲かる、という意味である。当時、月500円の生活を余儀なくされていた庶民にとって、それは夢のような話であった。五代友厚の偉さは、自ら起こした事業を私しなかったところにある。彼は大阪商工会議所を起こし、大阪のため、日本のために起業する人たちを助けたのである。商工会議所が現在でも中小企業の皆さんの集まりであるという伝統は、五代友厚によってつくられたものだ。
このような伝統はいまでも大阪商工会議所に生きており、「アントレプレナー」の育成には大変熱心である。しかもそれはお手伝いに徹していて、決して出しゃばることはない。加うるに、このような活動を大阪の地に止めることなく、全国に呼びかけていることである。この辺り、まさに五代友厚に始まる気宇の壮大さが感じられる。なんたって大阪はビジネスの地なのだ。おーい、皆さん寄っておいでよー、というわけだ。かつて日本最初の開かれた都、難波の国の伝統はいまでも生き生きと残っている。(大商にて)
- 1