サイバーテロへの備え
<サイバーテロへの備え>第1回 ネットワーク社会の恐怖(サイバーテロって?(1))
2002/07/01 16:18
週刊BCN 2002年07月01日vol.947掲載
現在、世界中で「ネットワーク、ネットワーク」、「インターネット、インターネット」と騒がれています。インターネットを利用すれば、情報収集も簡単だし、いろいろな買い物もできる、株取引も簡単、近い将来には役所に行かなくても手続きができる電子政府も実現されそうです。
また、あらゆるコンピュータがインターネットでつながり、携帯電話やPDA(携帯情報端末)を利用して常にネットワークを利用できる「ユビキタス・コンピューティング」という耳慣れない言葉も多く使われるようになってきました。
しかし、ちょっと待ってください。ネットワークを使っていろいろな情報のやり取り、特に個人の情報のやり取りを行うとき、何か危ないことはないんでしょうか。ネットワークを「使わなければ」できないことが多くなってきたとき、ネットワークが使えないときにはどうするんでしょうか。
さらに、さまざまなコンピュータが接続されたネットワークでよからぬことをたくらむ輩がいたとき、いわゆるサイバーテロのような事態になった場合には、実際にどういうことが起こるんでしょうか。
今回の連載では、ネットワークの利便性ゆえの問題点や、犯罪への悪用の可能性、あるいは実際に起きていることなどを取り上げ、あえてネットワークの危険性を強調してみたいと思っています。きれいなバラには棘があります。世の中、おいしい話ばかりではありません。
とはいえ、実際にネットワークがこれだけ使われている実情を考えれば、何か対策があるんじゃないかと思う方も多いでしょう。当然、よく知られている対策があります。ですが、きちんと行われていないというのもまた事実。さらに、守るための技術の進歩は、攻撃する側の技術の進歩を招くというのも仕方のないことです。
そこで、どういうことを知っていれば犯罪を防ぐことができるのか、よからぬ輩から自分のパソコンを守るために必要なことは何か、実際に何をしなければならないかということも併せて考えてみたいと思っています。
なお、記述を簡単にするためにあえて技術的には不正確な表現を使う場合がありますので、正確なことは各自で確認していただきたいこと、また今後の記事で意見にわたる部分は私個人の意見であることを、あらかじめお断りしておきます。(警察庁情報通信局技術対策課課長補佐・野本靖之)
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