視点
GIF
2002/05/06 16:41
週刊BCN 2002年05月06日vol.939掲載
電子図書館のHTMLファイルは、いろいろなブラウザで確実に読めるよう仕立てることが重要だ。だが、外字画像の形式を選ぶにあたっては、あえてこの大原則から外れた。標準とされてきたGIF形式を採らず、一部の古いブラウザでは表示できないPNGを選んだ。GIFのほとんどは、圧縮にLZWと呼ばれる技術を用いて作られる。この方式の特許はUNISYSがもっている。GIFがインターネットの標準となった時点で、同社はライセンス料徴収に力を入れ始めた。画像ソフトの開発者の中には、求められるライセンス料を価格に転嫁できるところがある。だが、無償が前提の書き手は、自分でかぶるしかない。フリーソフトの書き手からライセンス料が徴収しにくい事情を背景に、同社は次の手にうって出た。
ライセンスを受けていないソフトでGIF画像をつくり、自分のウェブページに置いた人から、金をとると主張した。同社に言わせれば、1回こっきりの低額料金ということだが、その値段が5000ドルである。これも無償で公開されているフォントから、外字画像を一括して作るに当たっては、あるフリーソフトを使わせてもらった。開発者は、自分がUNISYSからのライセンスを得ておらず、それゆえGIFを選ぶ人は、同社への支払いが必要になるかもしれないと警告している。無償公開されたソフト、無償で提供される素材ファイルから、こうしてGIFが消えつつある。混淆の活力はもはや、GIFのまわりには存在しない。
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