身につけたい社会人マナー スタートダッシュ新入社員
<身につけたい社会人マナー スタートダッシュ新入社員>第5回 「敬語」の使い方を覚えよう
2002/05/06 16:04
週刊BCN 2002年05月06日vol.939掲載
これまでは、「おい」とか「おまえ」とかで済んでいたかもしれない。しかしこれからはちがう。ビジネスの現場では、正しい言葉づかいが仕事の成績につながるといっても過言ではない。お客さんに向かって「かしこまりました」と言えるようにならなくてはいけないのである。
例えば、「ちょっとお待ち下さい」では不合格、「少々、お待ち下さいませ」と言わなくてはいけない。後ろの「下さいませ」はともかく、「少々」という言葉遣いは絶対に覚えなくてはいけない。
実を言えば、敬語というのは“揺れている”世界であり、時代と共に変化している。
だから、どんなに社会人生活が長くても戸惑うことはあるし、例えば言葉のプロであるはずのアナウンサーなども、敬語となるとおかしな使い方をすることが多い。
それはそれとして、最も基本的な敬語の使い方は理解していないと、恥をかくことは言うまでもない。
敬語には大きく分けて、①尊敬語、②ていねい語、③謙譲語の3つがある。
「尊敬語」は、相手を高める時に使う表現である。
分かりやすい例では、「お体」、「ご令嬢」など接頭語をつけたり、「石塚さん」、「石塚課長」など接尾語をつけることでカバーできる。
尊敬語では動詞、補助動詞の使い方が大事である。
「○○なさる」、「いらっしゃる」が尊敬動詞、「お教え下さる」「来られる」が補助動詞の例だが、基本的には語尾に「れる」「られる」を付ければよいだろう。
ところで、この例の中で「ご令嬢」の「ご」は必要だろうか。「令」に尊敬の念は込められているので、基本的には不要である。
使い方の例を稿の最後に挙げたが、最初「お聞きになられる」とキーボードで入れたら、ワープロに「二重敬語」だと怒られた。
「ていねい語」は、相手に向かって敬意を表す表現で、自分の品位を保つために使うこともある。
「お食事」、「お話」など、接頭語をつけたり、「わかります」、「そうです」などていねいな助動詞を使う場合、「今日→本日」、「ちょっと→少々」など言い換えて表現する場合がこれに該当する。
「謙譲語」は、自分自身を低くすることで、相手を高めるときに使う。
接頭語は「粗品」「愚問」などになり、接尾語は「私ども」などがよく使われる。謙譲の動詞としては「申します」、「まいります」などが使われる。
○敬語の一例
例 尊敬語 丁寧語 謙譲語
行く いらっしゃる 伺う 行きます
来る おいでになる 行きます まいる
聞く お聞きになる 聞きます 伺う
見る ごらんになる 見ます 拝見する
言う おっしゃる 言います 申す
思う 思われる 思います 存じる.
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