大航海時代

<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第24話 木が沈み、石が浮く

2002/03/11 16:18

 ひとつの時代が終わろうとしている。そういった予兆がいよいよ顕著になりつつある。この1年を振り返ってみても、まぁ、なんと、多様な変化のあったことか。まず、思いもかけないできごとが次々と起こった。ニューヨーク貿易センタービルへのテロなどという驚天動地のできごとをきっかけとして、アフガニスタンで戦争が起きた。宗教と国家の問題などなど。この事件の意味するところは誠に複雑である。この点については学者、論評家の皆さんに任せたらよいであろう。

 今はかつての第2次世界大戦の前夜を思わすものがある。少なくとも米国はそのことを意識して行動している。「悪の枢軸」なんてことばが再び使われ出したということは、このことを意味している。米国ではいま、重大な決意を秘めていると考えるべきだろう。夢々、軽く考えてはならない。日本はどうか。こちらはヒッチャカ、メッチャカである。この国にはどうも喜劇が似合うようだ。喜劇のタレントには事欠かない。なんでも飯の種にしようという意欲においてはきわめて旺盛である。よもや、と思われていた外交までもがそのなかに入ってきた。これで大蔵から始まり、建設、厚生、農水と政府の方も一巡りしそうな気配で、今、各省庁ともに自分のところの不祥事を押さえ込むのに躍起になっている。

 しかし、そこは情報化社会だ。内部かどうかよくわからんけれども、情報はリークの手段に事欠かぬ。今まで過去100年に渡って「お上」の名のもとに「泣く子も黙っていた事態」が激変しつつあるのである。まさにひとつの時代が終わろうとしている。誰かが言ったように、こんなときには「木が沈み、石が浮く」ようなことが起きる。どれが木で、どれが石か、国民はよくよく眼を見開いて判断しないといけない。(新潟・三条市にて)
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