The Project
<The Project ―KDDI egnavigation 開発現場の風景―>第6回 番組内容を考える
2002/03/11 16:18
2001年を迎えた。
インターネット・グループは、前年末にようやく決まった情報提供業者への通知データ項目を電話機など機器メーカーに伝え始めた。
その後、グループではGPSサービスの細かい仕様の確定作業に移っていた。それと並行して、KDDI内のある部署では、メーカーから提供された試作の電話機を使って、どの程度の基本性能が実現できているか評価していた。
インターネット・グループはここで初めて、GPS機能搭載端末の精度と測定時間を体感した。
「ちょっと時間かかるね」
「精度は、いいんだけど…」
だが、ときどき、「飛ぶ」。
東京・新宿にあるKDDI本社の周囲には高層ビルが立ち並び、電波がそれらのビルに反射して、電話機でうまく捕えられないことがある。
「現在位置は(新宿の北どなりの)大久保だって」
「おかしいな。この前は、うまくいったのに。どうしてだ」
うまくいかないと、原因の分析に走り回った。
2001年の冬も終わるころ、そうした仕様確定と試作機評価の2つの作業が結実した。ここで、電話機とサーバーの仕様が決まった。
だが、あまり巧遅を求めてばかりもいられなかった。
●JAVA対応のサービス
じつは、その少し前、2月にはすでにGPSサービスに関しての日程が固まっていた。このサービスでは、プログラム言語「Java」の標準搭載も決まっていたが、KDDI社内で、「1Java対応サービス」、「2Java搭載GPSサービス」という2つの事業展開を連動させようとしていたからだ。
まず先行するのが1の「EZプラス」で、サービス開始は7月4日、次に2のGPSサービスで開始は12月1日となっていた。
「7月、それから秋の展開を視野において開発を進めてくれ」
EZプラスにもかかわっていたインターネット・グループは、そうハッパをかけられた。
ちょうどハード部分において、仕様策定を終えたところであり、メンバーは5月ごろから、提供する情報の品揃えについて考え始めた。
情報提供業者に対し、「どんどん番組を考えてサービスに載せてください」と依頼するには、サービスを運営する通信業者側に基本方針がなければならない。
それがなければ、番組内容を考えようにも、どんな内容の情報を提供するのがふさわしいのか、だれにも見当がつかないからだ。
インターネット・グループでは連日、「個人とか法人に限らず、何ができるか考えてみよう」と議論を繰り返した。
まずは、できるかどうかに関係なく、それぞれがアイデアを出し合った。
その数、50近くにのぼり、それを土台にして、次に現実的な方向に絞っていった。
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