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ランサムウェアの被害7割目前に、景況感は回復傾向だが慎重な見方が大勢──JCSSA調査
2016/12/13 22:02
JCSSA会員の顧客企業について、この1年間でのセキュリティ被害に遭ったかどうかを聞いたところ、25.0%が被害の事例があったと回答。さらに、被害の内容で最も多かったのが「ランサムウェアを使った詐欺・恐喝」で67.6%とほぼ7割に上ったことがわかった。「ランサムウェアがサーバーにまで感染した」との報告もあり、ランサムウェア被害の深刻さが明らかになった。また「フィッシングメールなど標的型攻撃によるマルウェア感染」も47.1%と多く、このため「ファイルサーバーの利用ができなくなった」などの事例の報告もあった。
景況感判断などを示すDI値では、前回調査(2016年5月実施)に比べ改善したものが多かった。「景況感の現状判断DI」は8.1と前回比で6.4ポイント改善したほか「半年前との景況感比較DI」は5.6と低水準ながらも、2ケタマイナスを記録した前回に比べ21.4ポイントの大幅改善が見られた。さらに「半年間の見通しDI」もマイナスだった前回から8.9と15.6ポイント改善した。それぞれのDIは低く楽観視はされていないものの、おしなべて低調だった前回に比べ、景況感は着実に回復している。
設備投資DIは33.1と比較的積極的で前回比でも0.6ポイント上回った。一方、前回比で大きく下回ったのが賃上げDI。40.3と前回に比べ10.5ポイント後退した。また賞与DIについても24.2と7.5ポイントのマイナス。中途採用DIについても9.3ポイントマイナスの27.4に終わった。逆に新卒採用DIに関しては前回比で1.9ポイントプラスの20.2とわずかながら改善した。先行き不安から、改善したとはいえまだ景況感は低い水準のままとどまっており、労務費に対するディフェンシブな姿勢が強まっている。
6月の国民投票で英国のEU離脱が決定し、11月には米大統領選で大方の予想を覆しドナルド・トランプが次期大統領に決まるなど、世界的に不安定な情勢が続いていることから、経済のトレンドを見極めたいという様子見の動きが広がっているためと思われる。
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