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ネットワールド、米Tenstorrentと日本初のディストリビューター契約を締結

2025/02/27 15:21

 ネットワールドは2月26日、米Tenstorrent USAと国内初のディストリビューター契約を締結し、AIや高性能計算(HPC)の領域に革新をもたらすTenstorrent AIアクセラレータ「Wormhole」を搭載したPCIカード、ワークステーション、ラックマウントサーバーシステム、SDKの提供を開始すると発表した。今後、導入前後の日本語技術サポートを提供し、製品の理解を深めて活用できるよう支援する相談会やトレーニングなどのAI人材育成サポートを充実させていく。

 現在、AI処理の環境としてGPUが広く利用されているが、AI処理に特化した設計ではないため、CPUとメモリー間の通信の効率や消費電力の面で、さらなる改善の余地がある。そのため、AI処理においてGPUに代わる、より最適化されたソリューションが求められている。

 Tenstorrent AIアクセラレータは、AI処理に特化した専用アクセラレータで、AIのアルゴリズムに最適化されたアーキテクチャーを採用し、従来のGPUでのAI処理のいくつかの課題を解決する。PyTorch、ONNX、TensorFlowといったAIモデルをそのまま稼働させることができるため、既存のAIモデルの有効活用した開発が可能となる。

 また、チップ上では同時に複数の命令を処理することができるほか、大半の処理では最初と最後のオペレーションの時のみメモリーと通信する。命令処理ごとにメモリーにアクセスする方式よりも、DRAM帯域幅を約10倍節約でき、低電力で高速な処理が可能となる。

 今回発表したSDK「Tenstorrent Software」は、ソフトウェアスタック全体をオープンソースとして提供し、透明性と自由な拡張性を実現している。TT-Forgeでは、PyTorch/TensorFlowなどのフレームワークの実行をサポートするため、既存のAIモデルを短期間で立ち上げることが可能。TT-Metaliumでは、Tenstorrent AIアクセラレータのHWリソースを直接制御でき、C++レベルのモデル最適化やHPC分野のプログラム開発を可能としている。

 Tenstorrent AIアクセラレータ Wormhole搭載の「PCIeカード」は、コンピューティングユニット、NOC、ローカルキャッシュ、ベビーRISC-Vコアで構成され、チップを介した強力なデータ移動を実現。従来のGPUと比較してコストパフォーマンスに優れ、幅広いデータフォーマットをサポートする。Wormhole 1個搭載のn150と同2個搭載のn300の2モデルがある。

 「TT-LoudBox」は、PCIeカードを4枚搭載した空冷サーバー。AIモデル実行・テスト・開発や、HPC用のライブラリーの移植・開発に最適な、コストパフォーマンスに優れた4Uラックマウントシステムとなっている。

 「TT-QuietBox」は、PCIeカードを4枚搭載した水冷サーバー。液体冷却のため非常に静かで、リモートワーカーやオフィスに向いている。TT-LoutBox(空冷)と同様に、AIモデル実行・テスト・開発や、HPC用ライブラリーの移植・開発に最適な、コストパフォーマンスに優れた製品を提供するデスクトップワークステーション。

 「Galaxy」は、PCIeカードを32個搭載した企業や研究機関のデータセンター向け6Uラックマウント型スケーラブルサーバーとなっている。
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外部リンク

ネットワールド=https://www.networld.co.jp/

「Tenstorrent製品」=https://www.networld.co.jp/product/tenstorrent/

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