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大塚商会の年次イベント「実践ソリューションフェア」が開幕、LPガス電源車などをお披露目
2025/02/06 10:57
Bi-Fuel LPガス電源車は、「トヨタハイエース」をベース車として同社が複数社と共同開発したもので、山間部など商用電源を確保できない場所での業務や、災害時への備えなどの用途で、移動型発電機として使用できる。
バイフューエルシステムを採用し、走行用の燃料はLPガスとガソリンの双方に対応可能。発電機はLPガスで稼働し、公民館1棟分ほどの電力を賄える。米SpaceX(スペースエックス)の衛星ブロードバンド接続サービス「Starlink」と接続し、電源や電話回線のない場所でのインターネット接続を可能にするといった用途を想定する。自治体などへの導入を目指す。LPガスは都市部から離れた地域でも供給や備蓄の体制が安定していることや、長期保存しても品質が劣化するリスクが低いことから採用した。
生成AI製品の「美琴 powered by cotomi」も展示した。GPUを搭載したタワー型サーバーにNECの大規模言語モデル「cotomi」を搭載し、文書の生成や、ユーザーの質問に回答するといった生成AI関連アプリケーションが利用できる。外部ネットワークと接続がないセキュアな環境で運用可能で、病院や企業の研究部門といった機微な情報を扱う顧客への導入を目指す。1台につき50から100人ほどのユーザーの利用を想定する。
東京会場での実践ソリューションフェアの開催は48回目。来場者の事前申し込み数は前年比25%増の約9000人に上る。「AIで拡がる! まるごとDX」をテーマに、同社や協賛企業96社がブースを並べ、経営や営業、バックオフィス、PCといったテーマごとにコーナーを設けた。最新の技術を体験できるイノベーションラボや、製造や建設、介護、小売りといった業種別DXを紹介するコーナーも設けた。
今年は新たな試みとして「まるごと展示」を目指し、協賛企業と大塚商会のブースを融合させて展示した。開場直前の朝礼では大塚裕司社長がスピーチし、「一つ一つの“モノ”ではなく、顧客の課題を“まるごと”解決するというところにこだわって展示を変えた。当社もかつて、(情報基盤は)ひどい状態だったがIT投資をし、データを整備してAIを活用できるようにするなどDXを進めてきた。このプロセスを来場者にもお話ししたい」と語った。
5日の会場で報道陣の取材に応じた大塚社長は「生成AIを含めたAIは、会社全体のビジネスで活用するという意味ではまだまだ入り口の段階。中小企業の顧客に対してもデータを整備し環境を整えた上で、AIを活用する有効性を訴えたい」と意気込んだ。また、2025年の成長要因としては、Windows 10のサポート終了に伴うPCの入れ替えを商機として見据えた上で、「AI PCが注目されているが、リプレースのタイミングでどれほど必要とされているかはもう少し見極めたい。ただ、ゆくゆくは当たり前に使われるツールになるだろう」とコメントした。
実践ソリューションフェアは2月7日までの東京会場に続き、大阪会場とオンラインでも開催する。大阪会場の日程は2月19日から20日。オンライン会場は2月25日から3月31日で特設サイトを設置する。(大畑直悠)
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