ROBONは東京社会保険労務士協同組合との間で販売仲介契約を結び、11月から同組合に加入する組合員と賛助会員に向けて、ROBONの生成AIチャットサービス「労務相談ロボット」のあっせん販売を開始した。チャットに質問するだけで回答の根拠となる法律や判例などの出典を明示し、生成AIが文章で回答するため、労務相談に関わる情報収集を大幅に効率化することができる。


　昨今、賃金問題やハラスメント、人手不足、雇用関係の多様化、外国人労働者への対応など、労務相談の急増が見込まれている。しかし、労務に関する情報は、頻繁にアップデートされるため、最新の法令や判例が何なのか、判断が極めて難しいといわれている。労務に関する業務範囲は多岐にわたる一方、人事労務担当者や社会保険労務士は、社員やクライアントからの質問を理解し迅速に対応することが求められている。

　労務相談ロボットは、こうした課題解決に必要な最新の法令、通達、判例、Q＆Aなどあらゆる労務領域に特化したオフィシャルデータを学習させている。生成AIのチャットに質問するだけで、文章の形で出典元とともに回答を得ることができる。質問できる対象項目は労働基準法、労働契約法、労働組合法、労働関係調整法、労働安全衛生法、職業安定法、最低賃金法、障害者基本法など広範囲に網羅している。

　生成AIに質問するサービスは、質問した内容が生成AIの学習に活用されるのではないかという懸念もある。しかし、同社は、最新のクラウド技術を使うことで、セキュリティーを確保している。具体的には、相談ロボットシリーズはMicrosoftのAzure OpenAI Serviceを使用しているため、AIの学習の用途などで質問内容がシステム外部に蓄積されることがなく、安心して使うことができる。