アイキューブドシステムズは、主力のモバイル端末管理(MDM)「CLOMO」シリーズの開発ロードマップを10月22日に開催した年次イベントで発表した。ゼロトラスト・ネットワークへの対応強化や「Microsoft 365」のID認証との連携、組織階層ごとの設定を継承する機能などを実装することで、より安全に実効性のあるMDMを実現していく。
原口琢磨 部長
ゼロトラスト・ネットワークへの対応強化では、誰がどのモバイル端末で、どこに接続し、何を参照しているのかを網羅的に把握し、「総合的な安全性を高めていく」(CLOMO事業本部の原口琢磨・プロダクトリーダーシップ部部長)。これによって正規の従業員になりすましたアカウントであっても、不審な振る舞いを検知して制御することが可能になる。セキュリティー強化の一環として二要素認証も年明けをめどに実装する予定だ。
また、Microsoft 365を利用する際、あらかじめマイクロソフトのID管理サービス「Microsoft Entra ID」にCLOMOを登録しておくことで、CLOMOによる管理が行われている端末のみMicrosoft 365を利用できるようにする。並行してジョーシスのIT資産管理ソフトと連携し、MDMをCLOMOで行いつつ、端末の台帳管理はジョーシスの製品で行えるようにする。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズのセキュリティー対策ソフト「Harmony Mobile」と脅威情報の連携も予定している。
組織階層ごとの設定を子組織にも反映できるようにする機能では、例えば全社の設定や部門の設定を自動的に継承することで、下部組織の課レベルの個別設定は「最小限の作業で設定を終えられる」(原口部長)ようになる。
ほかには、創立記念日など会社個別の休日設定や、端末の使用可能な時間帯を設定するといった柔軟な運用形態への対応強化や、MDMが管理する端末の使用状況をレポートする有償サービスなども検討している。
(安藤章司)