ネットワンパートナーズは、テクニカルセンター（品川区勝島）内にパートナー企業を対象にした製造現場のあるべきネットワークデザインを総合的に学習できる「OTデザインラボ」を7月31日に開設した。


　OTデザインラボは、ITエンジニアがOTネットワークを、OTエンジニアがITネットワークを「学び」、課題やニーズに基づいた製造現場に最適なネットワーク／セキュリティーインフラを「創り」「試す」場として、必要な設備と情報基盤を提供する。

　製造業DXが進むにつれて工場内で独立／分断して稼働していた生産設備や制御設備、運搬設備などがネットワークに相互接続されるスマートファクトリー化が進んでいる。これにより生産効率の向上や設備の自動化、省人化などさまざまな利点がある一方で、サイバー攻撃や不正アクセスなどのリスクが高まっている。こうした背景から、利便性とセキュリティーを両立させ、ITとOTを総合的にデザインできる人材が求められている。しかし、パートナー企業では「OTネットワークについてナレッジが不足している」「OT機器をもっておらず検証ができない」といった学習機会や検証環境不足が課題となっていた。

　同社は、2015年からOTネットワークソリューションの取り扱いを開始し、実際に顧客のOTネットワークを構築するなど、OTの領域での知見や実績を培ってきた。また、国内外のマルチベンダーの機器を取り扱い、さまざまな機器の組み合わせを提案している。今回、こうした同社の強みをもとに、パートナー企業がエンドユーザーである顧客に対して価値の創出・提供を行うことへの支援の場として、OTデザインラボを開設した。

　OTデザインラは、OTネットワークのあるべき姿やOT環境に即した具体的なネットワークセキュリティー対策、生産設備のトレーニングキットを使用。実践的なPLC（Programmable Logic Controller）のプログラミングや生産設備の動作などを総合的に学ぶことができる。

　顧客の機器を持ち込んで、より現場に近い環境でネットワークや機器の動作を実際に確かめながら検証を行うことが可能。その機器をつなぐため、さまざまな産業用イーサネットに対応したネットワークも準備。また検証環境として仮想化基盤を準備、複数のネットワーク監視システムを仮想化基盤上で展開し、実際の操作性を確認することも可能となっている。