フリーは5月14日、イベント「freee TOGO World 2024」を開催した。基調講演には佐々木大輔・CEOが登壇し、プロダクト開発における技術的な基盤と設計思想を組み合わせたフレームワーク「統合flow」について解説した。統合flowを活用し、業務やコミュニケーション、データの分断を解決するプロダクトの開発や機能追加を促す。
 
　企業には、異なるツールを複数導入することで入力や転記などの作業が発生してしまう「業務の分断」や、従業員がツールを使い慣れていないことで管理部門への問い合わせが増加してしまう「コミュニケーションの分断」、どのツールに最新の情報が入っているかわからなくなる「データの分断」など、バックオフィスに関する課題が存在すると佐々木CEOは指摘。

　統合flowは業務の分断を解決する「Work flow」、コミュニケーションの分断を解決する「Communication flow」、データの分断を解決する「Data flow」の三つで構成されている。Work flowは一貫したデータで業務を自動化するのに加え、OCRや金融機関連携、API連携などを活用し、入力のミスも削減する。Communication flowは、従業員全員が共通のUIで操作可能。「LINE」などと通知を連携し、管理部門の直接の連絡をなくして、システム側で従業員に自動で催促できるようにする。Data flowでは、一つのデータベースの中にデータを集約し、常に最新のマスターデータを確認できるようにする。

　同社は、全てのビジネスの要素を一括管理できる「統合型ERP」の完成を目指すと説明。佐々木CEOは「統合flowを活用して、その上にさまざまな業務（に関するプロダクト）が乗っていく。これがどんどんブラッシュアップされていくのに加え、早く新しいプロダクトや機能を追加していくことができる」と述べた。
（大向琴音）