パナソニックコネクトは3月29日、100%子会社でサプライチェーン管理ソリューション(SCM)を提供する米Blue Yonder(ブルーヨンダー)が、同じくSCMを手がける米One Network(ワンネットワーク)を約8億3900万ドル(約1270億円)で買収すると発表した。手続きは2024年度第2四半期までに完了する見込み。ワンネットワークの基盤を利用する企業のデータとブルーヨンダーのSCMを連携し可視化、最適化の機能を強化する。
ワンネットワークは、グローバルの製造業向けにサプライチェーン可視化基盤を提供している。大手企業だけでなく、それらの企業に部品などを納入する取引先や運送業者など、サプライチェーン上の多数の階層にわたる在庫や需要予測などのデータを統合できる。同社の基盤に接続する企業数は世界54カ国の15万社以上に上るという。
パナソニックコネクト 樋口泰行 プレジデント兼 CEO
ブルーヨンダーのSCMは世界の大手製造業約3000社に導入されており、製造・物流・販売などの管理や、AIを活用したそれらの予測・最適化の機能を提供している。今後、ワンネットワークの基盤との統合を進めることで、予測精度の向上を図るほか、部材供給が停止した際即座に代替手段を提示するなど、ユーザー企業の経営をより高度に支援できるようにしていく。
パナソニックコネクトの樋口泰行プレジデント兼CEOは、ワンネットワークとの統合は、「今までの投資とは異なる、圧倒的なゲームチェンジャーとなる」買収だと説明。ブルーヨンダーは23年に返品プロセス管理の英Doddle(ドドル)を、24年に入って生産・輸送計画管理の独flexis(フレクシス)を買収し、ソリューションの強化に動いていた。ワンネットワークの買収により、大手企業の先にいる中堅・中小企業も含むサプライチェーン全体に価値を提供できるようになるという点で、重要な投資になると強調した。
(日高 彰)