アイティフォーは、債権回収会社（サービサー）向けの債権管理システム「TCSサービサーシステム」の完全リニューアルに着手した。業界動向やシステム環境の変化に対応した次世代のパッケージとして、2024年5月のリリースを目指す。

　TCS（Total Collection System）サービサーシステムは、1999年のリリース以来、サービサー73社（23年11月現在）中の36社で採用されている業界スタンダードの債権管理パッケージ。サービサー向けに開発された債権管理システムで、架電や文書発行などの債権回収の基本機能に加えて、法務省宛ての法定帳簿・事業報告書の作成や入金処理などのサービサー業務に必要な機能を網羅しており、受託・買取債権のいずれにも対応が可能となっている。

　今回、サービサー業界の動向の変化やシステム環境の変化にともない、パッケージの完全リニューアルを行うこととなった。新パッケージでは、サービサーに必要な機能を充足し、新しい機能を取り入れ、外部チャネルとの連携の充実を図る。また、クラウドなどのシステム環境の変化や、新たなシステム基盤に対応する。

　具体的には、（1）クラウド基盤に対応し、セキュリティの強化を実現し定期的な基盤更改の煩わしさを削減、（2）交渉基本画面のレイアウト変更や画面色変更、タブ複数表示などを行い、情報量の増加に対応、（3）回収自動化に向けた外部ツール（SMS、IVR、プレディクティブダイアラ、入金約束受付サービス「NYUS」）との連携の充実を図り、APIを実装、（4）内部統制の強化に対応し、法務省立入検査時の指摘事項への対応や、民法改正への対応を実装し、架電・文書発行制限、被災地対応などの回収ルールのシステム制御機能を強化、（5）EUCデータの出力内容を拡充し、データを活用した各種分析の強化をサポート－を実施する。

　アイティフォーでは、24年5月のシステムリリースを予定して開発を進め、現行サービサーユーザー36社の新パッケージへの切り替えを図るとともに、業界シェアのさらなる拡大を目指す。