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ラリタン・ジャパン、Japan IT Week 春に出展 PX インテリジェントPDUが高い注目を集める
2023/04/18 10:13
リモートからリアルタイムにIT機器の電力を監視
ラリタン・ジャパンのブースで特に注目を集めていたのが「PX インテリジェントPDU」だ。PDUはサーバーラックに備え付ける電源タップで配電に不可欠な機器。インテリジェントPDUは、サーキットブレーカー、インレット、アウトレットレベルの複数のポイントで計測することで電力を詳細にモニタリング。電力消費状況を明確に把握することを可能にする。インテリジェントPDUの需要を後押ししている要因の一つが、輸送用コンテナ内にデータセンター(DC)を構成する必要な機器を収容したコンテナ型DCの増加だ。クラウド、エッジコンピューティングの普及で、柔軟かつスケーラブルなDCへのニーズが高まっている。「コンテナ型DCのように無人で運用される環境では、今まで以上にリモートからDC内の環境や消費電力の管理ができるようにしたいという要望は強い。実際、PX インテリジェントPDUもこの数年倍以上ペースで販売が伸びている」と佐子博史・ビジネスデベロップメントマネージャーは語る。
島根県松江市に商用として国内初の外気冷却コンテナユニットを開設したインターネットイニシアティブ(IIJ)。そのエッジコンピューティング環境の構築に向けたコンテナ型DC内にはPX インテリジェントPDUが採用されており、リモート環境からDC内の環境や消費電力の管理を可能にしている。
「IIJ様に採用された理由の一つが計測精度の高さ。また、ラリタンのインテリジェントPDUは業界最高水準の信頼性を備えている。グローバルではフォーチュン500のテクノロジー企業トップ10社のうち9社に採用されていることからもそれを裏付けている」(佐子マネージャー)と胸を張る。
また、最近ではデータセンターのほか、企業や大学などの研究機関、さらにAIなどGPUを多用する分野での導入が増えているという。機器レベルでの電力情報を得ることができるため、エネルギー効率の改善に重要なヒントになるわけだ。ラリタンでは、ユーザーの用途や環境に応じたカスタマイズモデルにも対応するほか、より小規模な環境への設置を可能にする「コンパクトPDU PXO」をラインアップしている。オプションの環境センサーを接続すると温度、湿度、エアフロー、差圧、水漏れなどの感知もでき、ダウンタイムにつながる脅威の発生をアラートで通知してくれる。
「熱は消費電力に直結するだけでなく、CPUもGUPも過熱によるパフォーマンスの低下や故障原因となる。さらに、Power IQ DCIMモニタリングソフトウェアを使えば、DCや施設の管理者は、電力インフラを綿密にモニタリングし、環境の健康状態や将来に渡るDC運用支援に役立てることができる。当社の強みは、PDUだけでなく、環境センサー、モニタリングソフト、さらに両端抜け止めケーブルなど、総合的なソリューションを提供できることだ」と佐子マネージャーは強調する。
トップシェアを誇るKVM over IPスイッチ
ラリタンのもう一つの注目製品がITインフラ制御を可能にする「KVM over IPスイッチ」だ。PCやサーバーにBIOSレベルでセキュアにリモートアクセスでき、管理者はトラブルシューティング、再設定、リブート、サーバー電源のオン/オフまでの実行が可能だ。「ラリタンは、KVM-over-IPスイッチのリーディングカンパニーであり、グローバルで5万件以上の導入実績とトップシェアを誇っている」と佐子マネージャー。
エンタープライズ向け「Dominion KX3」を筆頭に、中小企業向け「Dominion LX2」などのラインアップをそろえる。また、アクセス統合管理機器「CommandCenter Secure Gateway」を使用すると、Dominionシリーズやシリアルコンソールサーバー、ラリタンのPX PDUなど、複数のアクセス技術を統合管理することができる。
「コロナ禍に伴うIT管理者を含めたリモートワークの増加も、ITインフラのリモート管理のニーズを後押ししている。今回、ブースでは電子ドアの開閉検知やセキュリティ対策として有効なSmartLockソリューションも紹介しているが、DCに関わるさまざまなソリューションを通じて、お客様の将来を見据えたDC運用を支援していく。特に、PX インテリジェントPDUについては年末から来年にかけて使い勝手を高めた次世代製品をリリースする予定なので、ぜひ、期待してほしい」と佐子マネージャーはアピールする。
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