ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは2月22日、記者会見を開き、小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査の結果を解説した。顧客が店舗に求める役割は多様化しており、店舗とオンラインを統合して顧客体験を提供するユニファイドコマースへの期待が高まっているとした。
古川正知社長
調査結果によると、76%の消費者が「コロナ禍前のように実店舗に出かけている」と答えた。一方、70%の消費者は店舗とオンラインの両方で販売している小売業者から購入したいと回答し、オンラインで購入した商品を店舗で受け取るBOPISへの対応などを要望した。
こうした状況の中、小売業の経営陣の80%は、ユニファイドコマースに関するテクノロジーが今後5年間で重要になると認識。消費者の約半数が在庫不足で欲しい商品を手に入れられないまま退店しており、常にリアルタイムで在庫確認できるようにすることが店舗の課題になっていることから、需要計画に関するテクノロジーを重要視していることも明らかになった。
同社の古川正知社長は「店舗が果たすべき役割は変わってきている。未来志向が強い経営者は、ユニファイドコマースに向かっている」と話した。また、ユニファイドコマースの実現に向けては、店舗やECの在庫管理などを単一のプラットフォームでできるようにする必要があるとした。
このほか、64%の消費者が非接触型の決済ができる店舗で買い物したいと考え、さらに店内のどこでも決済できる状況を求める声も多かった。古川社長は、従来型の有人レジの必要性は下がっているとの認識を示し「店舗の従業員はレジにおける業務ではなく、より付加価値のある仕事として、接客などに力を入れられることが重要」と語った。
調査は22年6月~7月、日本を含むグローバルで実施した。4200人の消費者や小売店従業員、小売り経営陣を対象に各設問について聞き取った。(大畑直悠)