日本ヒューレット・パッカードは2月2日、ストレージの新製品「Alletra(アレットラ)4000」シリーズの販売を開始した。同社が「データストレージサーバー」と呼ぶ新カテゴリーの製品で、汎用サーバーとストレージソフトウェアの組み合わせで構成する、ソフトウェア定義型ストレージ(SDS)のアーキテクチャーを採用した。オールフラッシュ型・1Uサイズの「Alletra 4110」と、SSD/HDD両対応・2Uサイズの「Alletra 4120」を用意する。
Alletra 4110
Alletra 4000シリーズのハードウェアは、インテルのXeonプロセッサーを搭載する汎用のx86サーバーそのものとなっており、単体ではストレージ機器として機能しない。これにSSDやハードディスクと、「Qumulo」「Cohesity」などのSDS用ストレージソフトウェアを導入することで、ユーザーの目的に応じたストレージ機器に仕立て上げられるのが特徴となっている。構成的にはハイパーコンバージドインフラにも近いが、より高速なドライブを大量に搭載可能にするなど、ストレージ用途に適した設計にしているという。
根岸史季 執行役員
SDSの特徴として、容量や性能の拡張性が高いことが挙げられる。サーバーを追加してネットワークで接続するだけで容量・処理能力の両方を拡大していくことができるので、初期投資を抑えつつ将来的な需要増にも対応しやすい。同社でストレージ製品事業を統括する根岸史季・執行役員は、ストレージ領域でもクラウドの利用が拡大しているが、運用の利便性や拡張性の高さといったクラウドの利便性は「結果的にコストに転換され、(特定のクラウド事業者への)ベンダーロックインになってしまう」と指摘。「現実的には自社のオンプレミスと組み合わせないと持続性のある利活用は難しい」とし、柔軟性の高いSDS製品で、クラウドからオンプレミスへの回帰の需要も取り込んでいく意向を示した。
(日高 彰)