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レノボ・ジャパンのThinkPadが誕生から30周年、記念モデルと折りたたみモデルを発表
2022/10/06 16:30
週刊BCN 2022年10月17日vol.1942掲載
「ThinkPad X1」の30周年記念モデルは、天板にかつて使われていたRGBカラーの限定ロゴを配置。また、同じくRGBカラーのトラックポイントキャップを同梱した。日本では1000台限定販売で、ヒンジ部分には日本独自のシリアルナンバーが刻印されている。ディスプレイは14型のOLEDを採用。価格は税込で33万円。
「ThinkPad X1 FOLD」は2020年にリリースした世界初となる折りたたみ式の2-in-1 PCの第2世代機。ディスプレイを16.3型に大画面化することで、折りたたみの利点を最大限に生かした使い方ができるようになった。また、TrackPoint搭載のフルサイズキーボードや専用スタンドをオプションとして用意。より多彩な働き方に対応する。価格は税込で54万2300円から。
発表会で塚本泰通・執行役員常務は「ThinkPadが目指してきたのは“お客様の成功”だ。時代と共にPCに求められるものは変化しているが『オフィスから、仕事を開放するために』というコンセプトはブレていない。働き方の変化はPCの進化によってもたらされてきたとも言えるが、ThinkPadは30年に渡って、それを体現してきた」と歴史を振り返った。
中国に本拠地を構えるレノボだが、ThinkPadの開発拠点は日本にある。そのルーツは1992年10月に最初のThinkPadとして登場したIBM時代の「700C」にまで遡る。「700CはCPU以外の全てを日本で開発した。製造工場も藤沢にあった。まさに生誕の地だ」(塚本常務)。堅牢性が売りのThinkPadだが、700Cは意外に故障したという。「当時の価格で70~100万円したので丁寧に扱われるだろうと予想していたが、思いのほか、ラフに扱われることが多かった。そこから堅牢性の基準を見直し、さまざまなテストが実施されるようになり、現在のレベルに辿り着いた。技術だけでなくお客様の声に耳を傾けるという文化もこのときに始まった」。
ThinkPadは多くの世界初・国内初を実現してきたブランドでもある。たとえば、現在では一般的になった指紋認証センサーは、ThinkPadが18年前に発売した「T42」で世界初搭載した。3G通信機能搭載のノートPCを国内で初めて発売したのも15年前と他社に先行。新たなスタイルを市場に定着させた。直近10年では「ThinkPad X1」シリーズで進化を追求。12インチが主流だったモバイルノートPC市場に14インチを投入するなど、新たなスタンダードを作り上げてきた。塚本常務は「お客様に『次の当たり前』を提案し続けてきた10年だった。次の10年、20年、30年も開発哲学を大事にしながら進んでいきたい」と意気込みを語った。
発表会ではThinkPadにコア技術を提供してきたパートナーを代表して、東レ コンポジット事業部門 溝渕誠・部門長やクラレ クラリーノ事業部 熊野敦・事業部長、シャープディスプレイテクノロジー 伴厚志・取締役副社長も登壇。30周年の祝辞を述べ、過去と現在におけるThinkPadでの取り組みについて紹介した。11月からは東京と大阪で30周年を記念した展覧会「Think Innovation Exhibition」を開催。過去の貴重なモデルや最新機種を展示するほか、有識者によるトークセッションなども予定している。(大蔵大輔)
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