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DX Tokyo、中小企業のDX化を支援する「車いす動画ファクトリー」を開始
2022/08/23 14:45
車いす動画ファクトリーは、主に車いすユーザーの人々が動画制作を担うサービス。販促物を紙から動画に変えることで、「営業トークの画一化による営業品質維持」「SNSなどによる拡散性・商圏拡大」と「印刷経費削減」という攻めと守りのDX化につなげる狙いがある。また、AI音声合成ソフトのAHSとの包括的連携協定により、車いすユーザーは動画制作に必要な同ソフトを無償で活用できる。さらに、難病支援の日本多発性硬化症協会(JMSS)に総売上の5%を寄付する仕組みとしている。
60年に「障害者雇用促進法」が制定され、民間企業は積極的な雇用を促進しているが、業務のデジタル化・DX化が急速に進むなかで、障害者の仕事が変化している。例えば、仕事の一部である「給与明細書の袋詰め」「データ入力代行」などはシステムで電子化・自動化され、「電話応対」などもチャットボットやAIに代わっている。雇用したい企業側にも現実的な悩みはあり、バリアフリー化、とりわけ車いすが利用できるトイレなどが設備的になく、雇用したくてもできない状況が背景にある。
DX Tokyoでは、こうしたDX化のあおりを受けて仕事が変化している人、特に車いすユーザーに対して、無償でパソコンを貸与し、パソコン操作や動画作成教室をリモートで開き、動画制作の仕事を発注し、成果物を中小企業に提供する事業「車いす動画ファクトリー」を開始した。
AHSは、AI音声合成技術を利用して「動画音声」部分を担い、当該AIの仕組みやソフトウェアを車いすユーザーなどに対して無償で提供するなどして、同事業を包括的に支援する。
なお、AHSが車いすユーザーに無償で提供するソフトウェアは、「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」(音声合成ソフト)と「Recotte Studio」(動画編集ソフト)。VOICEPEAKは、最新のAI音声合成技術を搭載し手軽に読み上げさせることが可能な入力文字読み上げソフトで、好みの文章や言葉をテキストで入力するだけで、簡単に高品質な音声が作成できる。一方、Recotte Studioは、手軽でありながら本格的な実況動画作成を行うことができる実況動画作成ソフトウェアで、今まで時間のかかったテロップ挿入作業、立ち絵の挿入など、実況動画によくある動画編集作業が簡単に行える。
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