グーグル・クラウド・ジャパンはノーコード/ローコードアプリ開発ツール「AppSheet」の訴求を強化している。今春から「Google Workspace」の販売パートナーが取り扱えるようになり、販売チャネルが広がった。同社はWorkspaceとのクロスセルを進めるとともに、既存データを活用できるアプリが開発可能な点をアピールし、公共や金融などWorkspaceが入り込めていない業界への浸透を目指す。
AppSheetはWebアプリ、モバイルアプリを開発できるプラットフォーム。本体にデータを格納することなく、GoogleスプレッドシートやExcel、データベース管理システムをソースにでき、API呼び出しによってさまざまな外部データとも連携が可能。デザインテンプレートによる開発やイベントを起点としたワークフローの設計にも対応する。アプリの開発・利用環境は全社的に可視化され、利用するユーザー・組織、アプリ作成者の管理やデータ利用状況の把握などガバナンス面の機能も充実している。
小林直史 営業統括部長
米グーグルがおよそ2年前に買収してプロダクト群に加わり、現時点ではUIの日本語化などのローカライゼーションは進んでいない。6月24日にオンライン開催された記者説明会で、グーグル・クラウド・ジャパンGoogle Workspace事業本部ソリューション営業部の小林直史・営業統括部長は「グーグル(本体)で検討をしている段階だ」と述べた。
販路については、従来はWorkspaceの販売パートナーであっても、AppSheetを取り扱うには販売契約を結ぶ必要があったが、グーグルにおける製品カテゴリーが統合され、Workspaceのパートナーであれば自由に販売できるようになった。小林・営業統括部長は「WorkPlaceプラスAppSheetというかたちでお客様にお届けできる」と強調した。
説明会ではこのほか、AppSheetを積極的に活用しているLIXILの担当者が、導入経緯や運用法、開発アプリの事例などを紹介した。
(藤岡 堯)