トレンドマイクロは6月1日に開催されたオンラインイベント「PERSPECTIVES」で、同社の製品ポートフォリオを統合・管理するサイバーセキュリティプラットフォーム「Trend Micro One」を発表した。同社の各製品を単一プラットフォーム上で利用、管理できるようになり、容易にセキュリティ対策の強化が図れるという。
Trend Micro Oneは、エンドポイント・メールセキュリティ製品で構成する「Trend Micro Workforce One」、クラウド環境向けセキュリティ製品で構成する「Trend Micro Cloud One」、ネットワーク・IoTセキュリティ製品の「Trend Micro Network One」の三つの製品群と管理コンソール「Trend Micro Vision One」が中核となる。ビッグデータを解析し得た知見や脅威インテリジェンスによる最新の脅威、既知・未知を問わない脆弱性情報なども提供する。5月16日に提供を開始したサポートサービス「Trend Micro Service One」では、運用・監視サービスなどを展開する。これらをプラットフォームとして提供することで、攻撃対象領域の可視化やリスク評価、発見されたリスクへの対応が円滑に行えるとした。
エバ・チェン 社長
エバ・チェン社長は、セキュリティ分野における企業の課題として▽ユーザーやアプリケーションが至るところに存在している▽サイバー攻撃の激化に対応するためツールを複数導入しても、ベンダーが異なるため運用負荷が高い▽セキュリティ人材不足──などを挙げた。その上で「(これらの課題を解決するには)防御だけでなく、攻撃対象領域のリスク全体を管理する考え方が重要だ。Trend Micro Oneによりお客様をサポートする」と述べた。
ビジネスマーケティング本部の釜池聡太・シニアプロダクトマーケティングマネージャーのセッションでは、「攻撃対象領域の把握」「リスク評価」「リスクの軽減」の三つを「攻撃対象領域のリスク管理ライフサイクル」だとして、各項目においてTrend Micro Vision Oneが提供する機能や活用方法を紹介した。
釜池聡太 シニアプロダクトマーケティングマネージャー
攻撃対象領域の把握では、同社の製品に加え「Okta」や「Splunk」といったサードパーティ製品からのデータも収集、システム全体を可視化して攻撃対象領域を明確にする。リスク評価では、攻撃領域やセキュリティ対策などを数値化して独自の計算アルゴリズムを用いてリスクの指数を導き出し、重大さや脆弱性の状況などを評価するとした。リスクの軽減では、同社のセキュリティ専門家による優先順位付けされたリスクの軽減策の提示、推奨する対策をワンクリックで実装できる「セキュリティプレイブック」機能を提供するという。
釜池シニアプロダクトマーケティングマネージャーは、「今後も、新製品や新機能をプラットフォームに追加していく。Trend Micro Oneに期待してほしい」と力を込めた。(岩田晃久)