マクニカは7月14日、AIと脳科学を組み合わせた研究を行い、その知見を製品・サービスに活用することを目的としたオープンイノベーションラボ「BRAIN AI Innovation Lab（BRAIL）」を新設した。企業や大学、研究所との産学連携などに取り組んでいく。
 
　同社では、2019年12月にAI専門組織「AI Research＆Innovation Hub（ARIH）」を設立し、これまで300以上の案件にAIを実装してきた。BRAILでは、ARIHの活動実績や研究成果に脳科学を取り入れることで、AI技術の向上を図るとしている。

　マクニカ・富士エレホールディングスのフェローでAI Research＆Innovation Hub プリンシパルを務める楠貴弘氏がBrain AI Innovation Lab プリンシパルを兼務する。楠氏は「『Brain AI』は脳科学とAIを掛け合わせた造語。脳科学を活用することでAIはより進化する」と説明した。

　研究成果は、製造やヘルスケアといった分野での活用を見込む。例えば製造業の場合、「ベテラン職人の技術をAIに取り込み、人間が持つ暗黙知の再現性を高めることで生産性向上につなげる」という。

　楠氏は、「早期の社会実装に向けて、国内外を問わずさまざまな企業やアカデミック組織と連携して研究を進める」と抱負を述べた。（岩田晃久）