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量子技術による新産業創出協議会 早期の産業化で優位に立つ産業界に広く働きかけて社会実装を推進
2021/06/24 09:00
週刊BCN 2021年06月21日vol.1879掲載
綱川発起人会長は、「日本の量子技術は世界的に見てもリードしている」と自負しており、協議会の活動を通じてさまざまな業種のユーザーに参加してもらうことで、産業化の面でも世界をリードしていく。電機業界の過去を振り返ると、半導体や液晶など技術的にリードしていたにもかかわらず、産業化のフェーズで他国のライバル企業との競争では逆にリードされる「技術で勝って産業で負ける」苦い経験をしてきた。量子技術では早いタイミングからユーザー企業を巻き込むことで産業化でも優位に立てるようにする。
協議会では、組み合わせ最適化や新薬の探索といった量子計算の分野のみならず、「量子暗号や量子センサー、量子マテリアル、量子デバイス、量子生命など幅広く産業界に働きかけていく」(NTTの篠原弘道会長)と指摘。量子技術を計算分野だけに限定せず、産業化が見いだせそうなあらゆる分野のユーザー企業と積極的に協業していく。東芝の島田太郎上席常務は、「産業化や事業化が見えてくれば投資が引き出しやすくなるし、人材育成の方向性もより具体化してくる」とし、研究開発と産業化を同時並行で推進していくと強調した。
具体的な活動内容は、現時点で有望と思われる量子アルゴリズムごとに部会を設けて、産業化に向けた調査検討を行う。技術革新が激しい分野であることから「部会運営はアジャイル的に行っていく」(島田上席常務)と柔軟性をもって運営していく考えを示した。(安藤章司)
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