ニュース
日立製作所、サントリー新工場でIoT基盤を構築、工場経営のDXなどに貢献
2021/06/02 10:10
新工場では、高頻度で発生する生産データを「Hitachi Digital Supply Chain/IoT」を用いて高速かつ安定的に収集・伝送し、それらのデータをデータ統合・分析基盤「Hitachi IoT-Platform for industry」で統合。生産現場視点でのデータ分析や最適化に必要なデータの抽出・紐づけとアプリでの利用を容易にした。従来は工程・ライン単位でデータを集約・利活用する個別最適にとどまっていたが、IoT基盤の活用によって工場全体の最適化が可能となり、工場経営を高度化するという。
高度なトレーサビリティシステムも搭載しており、商品1本ごとに製造・検査履歴情報と品質情報をリンクさせて統合管理できるようになった。消費者からの問い合わせに対し、迅速な情報照会や説明対応を実現するほか、生産設備や機器に軽微なエラーが生じた際も即座に製造・検査履歴を追跡して影響範囲を特定し、商品の品質を確かめられるという。蓄積したデータを分析することで、エラー原因の特定もより速やかになり、恒常的な品質改善にもつなげられる。
IoT基盤は働き方改革にも効果を発揮する。これまでの工場では、報告書作成や問い合わせ対応に使用するデータの収集・加工など、人手に頼ったルーチン業務が多く残っていたが、新工場では生産設備・機器やITシステムからのデータを基に、必要な情報をダッシュボード上で見える化・分析できるアプリを導入した。これにより、人手に頼っていたデータ収集・加工のルーチン業務をデジタル化・自動化し、リモートワーク推進と業務効率向上を両立可能になるとしている。
サントリー食品インターナショナルは、新工場で構築した次世代ファクトリーモデルを、ほかの自社工場へ展開することも検討している。日立もサントリー側との共創で得た技術やノウハウを生かし、Lumadaの製造業向けソリューションとしてグローバルに事業展開していく考えだ。
- 1
関連記事
日立製作所 サイバー攻撃から社会インフラを守る リモートワーク対応の防衛訓練メニューを拡充へ
日立製作所 Lumadaのグローバル展開加速に1兆円投資 米グローバルロジックを買収
外部リンク
日立製作所=https://www.hitachi.co.jp/
サントリー食品インターナショナル=https://www.suntory.co.jp/softdrink/company/