ニュース

日立、多様なパートナーと相互連携する「Lumadaアライアンスプログラム」

2020/11/05 16:41

 日立製作所は11月4日、社会課題の解決やデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みをさらに加速させるため、業界を超えた多様なパートナーと相互に連携する制度「Lumadaアライアンスプログラム」を開始し、Lumada事業のグローバル展開の中核を担うHitachi Vantaraと連携しグローバルに展開していくと発表した。

Lumadaアライアンスプログラムを通じた活動のイメージ

 Lumadaアライアンスプログラムは、「技術・ノウハウ・アイデアを相互に活用し、データから新たな価値を創出することで、人々のQoL(Quality of Life)向上と社会・経済の持続的な発展に貢献する。その価値を循環させ、ともに成長していく」というビジョンに賛同したパートナーとともに、Lumadaを基盤としたエコシステムを構築し、オープンイノベーションを加速していく。

 日立は、「誰もが暮らしやすいまちづくり」「持続可能な社会を支えるエネルギー」「需要・供給のムダのないロジスティクス」などの複雑なテーマに取り組むパートナーに、Lumada事業で培ってきたデータ活用やデジタルの技術・ノウハウ・ソリューションを提供するだけでなく、課題解決に向けたデジタルソリューションやグローバル展開力、技術サポート力などの様々な強みをもつ多様なパートナーとつなぎ、コミュニティーを形成して継続的な価値創出に取り組む。

 本格開始に先立ち、すでに24社が同プログラムのビジョンに賛同している。

 Lumadaアライアンスプログラムでは、「イノベーションパートナー」「ソリューションプロバイダー」「テクノロジープロバイダー」の3つのパートナーカテゴリーを設けている。

 イノベーションパートナーは、日立とエコシステムに集まる多様なパートナーと協創し、各社がもつDXの技術・ノウハウ・アイデア・ソリューションを柔軟に活用することでイノベーションを創出し、複雑で多様な社会課題、地域課題、経営課題の解決が可能となる。

 ソリューションプロバイダーは、日立を含めたパートナー間で、「Lumada Solution Hub」を通じ、相互にデジタルソリューションの提供や活用が可能。複数ソリューションを適材適所に組み合わせ、より付加価値の高い新たなソリューションを創出することや、各社の商流で広く展開することも可能となる。

 テクノロジープロバイダーは、同プログラムに参加するパートナーに実績ある基盤製品やクラウドサービスなどを提供することが可能。さらに、テクノロジープロバイダーがもつエコシステムと同プログラムのエコシステムを相互連携することで、技術、基盤、製品など様々なケーパビリティを高め、ビジネス拡大も可能となる。

 また、同プログラムの活動プロセスでは、イノベーションパートナーがもつ課題やテーマを起点に、それぞれに適した技術やノウハウをもつソリューションプロバイダーやテクノロジープロバイダーが参画してコミュニティーを形成し、多様な知見やノウハウを組み合わせながら、事業アイデアの抽出、プロトタイピング、PoC、価値提供に取り組む。

 具体的には、協創の基盤として、ノウハウ・デジタルソリューションを共有する「カタログ機能」、組み合わせて新たなソリューションを創出する「開発機能」、PoC環境・本番環境へと「実装する機能」を有するLumada Solution Hubを活用する。

 Lumada Solution Hubには、これまで日立が培ってきたさまざまなDXのノウハウ・知見がつまったLumadaユースケースや、「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」「IoTコンパス」などLumadaソリューションが数多く登録されている。また、日立はGartnerの発行する「2020 Gartner Magic Quadrant for IIoT Platforms」で、「リーダー」の1社に選出され、リーダークアドラントのなかで実行力が最も高いと評価された。このように実績ある日立のLumadaを、イノベーションパートナーは、それぞれの課題や目的にあわせてすぐに活用することが可能となる。

 さらに、Lumada Solution Hubを、同プログラムのパートナーを相互につなぐハブ(中継点)として、イノベーションパートナーが求める技術やノウハウに容易にアクセスできる環境を整える。

 これにより、事業アイデアの抽出やプロトタイピングで、日立やソリューションプロバイダー、テクノロジープロバイダーのデジタルソリューションや製品などを適材適所で組み合わせる発想を促し、トライ&エラーのサイクルをスピーディーにまわすことが可能となる。同プログラムを通じて生み出されたパートナー連携の成果は、ソリューションプロバイダーのビジネス領域へと幅広く展開することも可能であり、Lumada Solution Hubでも共有することで、さらに次のイノベーションへとつなげ、変化の激しい環境にも対応しながら様々な課題解決を実現し、すべてのパートナーがともに成長することでエコシステムを拡大していく。

 今後、日立はよい技術やノウハウ・アイデアをもち、人々のQoL向上と社会・経済の持続的発展を目指すパートナーとともに、実績のあるLumadaソリューションも含めて適材適所で融合することで、様々なイノベーションを継続的に生み出していく方針。
  • 1

関連記事

日立がハンコレス・ペーパーレスへ、年間約5億枚の紙削減を目指す

日立と電通など、テキスト解析プラットフォームを新たに開発

主要ITベンダーの1Q決算 コロナの影響顕著も反転攻勢に光明 通期の利益確保に全力を注ぐ

外部リンク

日立製作所=http://www.hitachi.co.jp/