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アイティフォー コンタクトセンターの在宅勤務を支援 来年度はSaaS方式で販売ターゲットは小口需要も

2020/10/15 09:00

週刊BCN 2020年10月12日vol.1845掲載

 アイティフォー(佐藤恒徳社長)は、コンタクトセンターの在宅勤務を可能にする商材を拡充する。すでに実装している在宅勤務のオペレーターの勤怠管理や会話の録音、NGワードの検出といった機能に加え、今後は在宅オペレーターが孤立しないよう、管理者とオンラインで共同作業ができる環境も順次整えていく。また、小規模センターに向けてSaaS方式で提供するサービスも来年度以降、始めることを検討している。

袰地幹也 執行役員

 アイティフォーは、イスラエル・ナイスのコンタクトセンター向け製品を主に取り扱っており、金融業をはじめとする大口のユーザー企業を多く抱えている。この半年余りの既存ユーザーの動きをみると、「コロナ禍の影響で半分近くが在宅勤務の形態を取り入れて“三密”を回避している」(袰地幹也・執行役員CTIシステム事業部事業部長)といい、クラスター発生防止に取り組むコンタクトセンターが多いことがうかがえる。

 在宅勤務を取り入れているユーザー企業への聞き取りを進めていくなかで、在宅のオペレーターが孤立してしまい、問題を抱え込んでしまうという課題も浮き彫りになってきた。センターで勤務しているのであれば、何か問題が発生したら、その場で管理者が支援に駆けつけられるが、在宅勤務の場合はそれが難しい。そこで、「在宅オペレーターとセンターの管理者、専門知識を持つ社内スタッフとオンラインで共同作業ができるツールの提案も積極的に進めていく」ことでアップセルにつなげる。

 センターから電話をかける「架電業務」については、自動受架電システム「ロボティックコール」の販売が好調だ。ロボットが音声で支払の督促を行う用途が多い。「ロボットの活用によってセンターの三密回避に役立つ」のが需要増の背景に挙げられる。

 来年度以降は、ナイスが海外ですでに展開しているSaaS方式の「NICE inContact」の国内販売を始めることも検討している。現行の客先設置型、あるいはデータセンターに顧客専用の環境を用意して運用を代行するマネージドサービス型は、大規模センターを運用している大口ユーザーに適した商材であるものの、「数席、数十席の小規模センターは、コスト面で合わない」課題があった。

 SaaS方式であれば、コストが抑えられるため、例えばネット通販を手がける小売店による小規模なセンターや、自治体などの需要も見込める。アイティフォーは小売業向け基幹業務システムや自治体向けBPOサービスを手がけており、既存顧客への横展開が期待できる。SaaS方式のコンタクトセンターは、メガクラウドベンダーをはじめとする世界の大手サービス事業者が提供しているが、「コンタクトセンターに関しては、当社の業務的な知見や専業ベンダーであるナイスの商材が有利」と話す。

 コロナ禍の混乱で一部プロジェクトの遅れが出たものの、在宅対応や来年度以降のSaaS方式による横展開を手がけていくことで、コンタクトセンター関連事業の成長基調を堅持していく方針。(安藤章司)
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外部リンク

アイティフォー=https://www.itfor.co.jp/