ニュース
理経 自宅に置くだけで社内につながる リモートアクセスソリューション テレワーク環境整備に引き続き需要あり
2020/10/15 09:00
週刊BCN 2020年10月12日vol.1845掲載
今年、新型コロナウイルスへの対応で多くの企業がテレワークを導入したが、リモートアクセス環境が十分に整えられていないケースが少なくない。理経のビジネスイノベーション部DXグループの鈴木利之・担当部長は「この春に緊急事態宣言が出されたとき、多くの企業では時間や予算が限られる中で最低限のテレワーク環境を用意するのが精一杯だった。しかし、今後新型コロナのリスクが収束したとしても、テレワークは定着すると考えられる。運用・管理やセキュリティの面でより適切なテレワークソリューションの導入を検討する企業が増えている」と説明。暫定的に構築したテレワーク環境を、“アフターコロナ”を見据えたものへアップグレードしようとする企業が増加することから、リモートアクセスソリューションの需要はこの秋以降も堅調に推移するとみている。
Aruba Remote AP(RAP)Wi-Fiパッケージは、企業の社内に設置するコントローラーと、従業員の自宅に設置されるリモートアクセスポイント(AP)で構成される。事前に設定されたリモートAPをインターネット回線に接続すると、コントローラーとの間で自動的に暗号化されたトンネルが確立されるので、社内ネットワークを自宅まで簡単かつ安全に延長できる(図参照)。リモートAPには社内と同じネットワーク名、同じ認証でアクセスが可能で、端末にクライアントソフトなどを導入しなくても、社内にいるときと同じように業務アプリケーションを利用できる。インターネット上のサイトにアクセスする際も、いったん社内ネットワークを経由するため、社内からのアクセスと同じポリシーを確実に適用できる。なお、社内ネットワークの過負荷を防ぐため、信頼できるクラウドアプリケーションには社内を経由せず直接接続するように設定することも可能という。
また、リモートAPの代わりに「VIA(Virtual Intranet Access)」と呼ばれるソフトウェアを利用してリモートアクセスを実現することも可能だ。この場合、端末には専用のクライアントソフトを導入する必要があるが、リモートAPの設置が不要なため、ハードウェアの費用を抑えることができる。コントローラーが許容する最大端末数(「Aruba 7010」の場合2048台)まで定額のライセンスで接続できるので、ユーザー数が多い企業でも低コストでリモートワーク環境の整備が可能。クライアントソフトはWindows、Mac、Linux、iOS、Androidに対応する。理経では主に、サテライトオフィスなどの遠隔地拠点にはリモートAP方式、自宅や外出先で働くリモートワーカーにはVIA方式を推奨していく考え。
同社ビジネスイノベーション部データ解析グループの渡邊将之・主任は、「リモートアクセス環境の運用では、ネットワークをどのように制御するかが課題となるが、HPE Arubaの製品では、本社からリモート拠点、従業員の自宅まで、企業のネットワーク全体を本社側のコントローラーから一元的に管理できる」と強調。リモートアクセスを実現するための製品にはさまざまなものがあるが、一般的には、社内ネットワークとは別にリモートアクセス製品用の管理コンソールを使って運用しなければならないものが多い。それに対してHPEがArubaブランドで提供しているネットワーク製品は、コントローラーに無線LANの制御やリモートアクセスなどの機能が集約されており、社内の有線/無線ネットワークとリモートアクセスで一貫したポリシーを適用できるのがメリット。また、リモートAP方式の場合は「GRE over IPsec」プロトコルによるレイヤー2トンネルで接続されるため、アプリケーションの対応の幅が広いことも特徴だという。
コントローラー1台と小型リモートAPが16台の構成で、価格は税別90万円。同社の営業組織および販売パートナーを通じて、中小企業、自治体、学校などに向けて提案していく。(日高 彰)
- 1
関連記事
理経、イベント会場用一斉メール配信サービス「c-alert」を野村不動産が採用
理経、米Flashpointのインテリジェンス・ソリューション販売を開始
理経、防災訓練用VRが米Epic Gamesの開発資金提供プログラムに採択