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東大物性研、デルの新スーパーコンピューターシステム「Ohtaka」を導入
2020/10/14 16:02
Ohtakaは、8月に導入を開始し、10月から全面稼働する予定で、全国の物性研究者に利用が公開される。理論演算性能は約6.9PFLOPSの国内屈指のスーパーコンピューターシステムとなる。これは旧システムの約2.6倍の性能であり、物性科学研究に必要な大規模な数値計算やシミュレーションをより効率的に行うことができ、研究業務が加速されることが期待される。
物性研で運用しているスーパーコンピューターシステムは、94年度の導入から定期的に更新を繰り返しながら、主に物性理論研究のために全国共同利用として国内の研究者に提供され、研究成果を積み上げてきた。近年の半導体デバイスの製造・加工の微細化にともなうCPUの性能向上とエネルギー消費効率の向上という技術発展を最大限に活用した優れたシステム上で高いアプリケーション性能を引き出すことで、物性科学研究を大幅に進展させるのが目的だ。
デル・テクノロジーズでは今回、AMDの最新プロセッサーであるAMD第2世代EPYC(開発コードネーム:Rome)に対応した「Dell EMC PowerEdgeサーバー」を提案し、汎用的なハードウェア・ソフトウェアによる使いやすさ、性能・機能が優れたシステム構成、大規模HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)システムの運用構築に対するノウハウが高く評価され採用が決定した。
今回導入したOhtakaは、デル・テクノロジーズのサーバー「PowerEdge C6525」を中核としたクラスタ型スーパーコンピューター。システムはCPUノード、Fatノードと呼ばれる2種類の計算ノードと、ノード間のデータ転送速度が高速なInfiniBand HDR100を用いたネットワークで構成されている。主要部を占めるCPUノードは、AMD EPYC 7702を2個搭載した「PowerEdge C6525」1680台で構成されている。また、大容量メモリが必要な物性計算の需要にも応えるため、Fatノードとして、4個の「インテル Xeon Platinum 8280」と3TBの大容量メモリを搭載した「PowerEdge R940」8台を備えている。
こうした最先端テクノロジーで、旧システムの約2.6倍にあたる約6.9PFLOPSの総理論演算性能を有している。また、これらの新スーパーコンピューターシステムを支えるIT基盤製品に、デル・テクノロジーズとしては国内で初めての利用となる水冷冷却方式「Passive Rear Door Cooling Unit」も採用された。これにより電力と冷却のバランスのとれた効率的なシステム運用が可能となる。
今後、全国の物性研究者がOhtakaを利用することで、高温超伝導の機構解明などの基礎研究から高性能な電池・磁石の開発などの応用研究まで、幅広い物性科学の研究が発展していくことが期待される。
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