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理研やOKIなど、文章の構造を可視化しAIと協調するオンライン共同エディタを開発へ

2020/10/01 17:06

 理化学研究所(理研)と沖電気工業(OKI)、東北大学(東北大)、名古屋工業大学(名工大)は9月30日、4機関による「人とAIの協調を進化させるセマンティックオーサリング基盤の開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」の研究開発項目の一つである「人の意図や知識を理解して学習するAIの基盤技術開発」に採択されたと発表した。

開発スキームの概要

 これにともない、4機関は20年度から24年度の約5年間で、同テーマに基づき、企業、教育、市民行政の現場でセマンティックエディタ(SE)をオンラインで共同利用する環境を構築し、AIシステムの学習用データへ相互活用するための技術を開発する。

 具体的には、企業での社内文書(OKI)、教育現場での教科ごとの学習文章(東北大)、市民議会などでの議事文書(名工大)を対象に、複数の人がオンラインで、SEを共同で活用することができる技術を開発する。またOKIは、そこで蓄積されるデータを収集・分析し、AIシステムの学習用データへ相互活用するための技術を開発する。グループウェアとして、誰でも自由に拡張修正可能なフリーソフトとすることで、SEの普及に貢献していく。

 各機関の担当概要としては、理研では、セマンティックオーサリングを発案、セマンティックエディタを設計・開発し、その知見の国際標準化を主導している。今回の開発では、セマンティックエディタの拡張機能を設計し、実装された機能のユーザビリティを評価して設計・実装にフィードバックする。並行して、セマンティックオーサリングに関する国際標準化も行う。

 OKIは、機械翻訳、オントロジーを応用した対話システムに関する技術開発を行っており、今回の開発では、セマンティックオーサリングに自然言語対話機能、知識獲得機能を付加することにより、社内文書の共同作成に基づき業務の生産性を高める技術を開発する。また、セマンティックエディタとAI機能が相互にグラフ文書・知識情報をやり取りする仕組みを開発することにより、人とAIとの協調が進化する持続可能な環境を構築する。

 東北大は、自然言語処理に関する研究の知見があり、とくに教育への応用として自然言語アセスメント技術の研究開発を行ってきた。今回の開発では、グラフ文書リテラシー(グラフ文書を読み解いたり作成したりする能力)の学習支援、グラフ文書コミュニケーションによる批判的思考力の学習支援、多様な教科での教育・学習支援環境の構築を行う。

 名工大は、合意形成/議論ファシリテーション/市民協働の支援技術の研究開発を行っており、今回の開発では、意思決定の支援を扱い、意思決定の根拠として活用可能なコンテンツやデータを探索・推薦可能にする技術を研究開発する。また、社会問題の周辺コンテキストや解決策の根拠を、市民・行政・専門家とAIの協働によって構造化し、説明可能にする技術と、最終的な政策決定に至った過程を政策決定者・専門家とAIの協働によって構造化し、説明可能にする技術を研究開発していく。
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外部リンク

理化学研究所=https://www.riken.jp/

沖電気工業=http://www.oki.com/jp/

東北大学=https://www.tohoku.ac.jp/japanese/

名古屋工業大学=https://www.nitech.ac.jp/