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安否確認など法人向けクラウドサービスのトヨクモがIPO、初値は公開価格の4.5倍の9020円<新規上場企業の横顔>
2020/09/28 16:35
トヨクモは、「情報サービスをとおして、世界の豊かな社会生活の実現に貢献する」ことを経営理念とし、法人向けクラウドサービスの開発・販売を行っている。一過性のブームで終わるものではなく、顧客に継続的に利用してもらえるサービスを開発し提供することを目指している。簡単な操作、シンプルな機能とわかりやすいデザインで、日常的にパソコンやスマートフォンを利用していないIT初心者にも、安心して利用できるサービスを提供し、企業での情報活用の第一歩を支援したいと考えている。
同社の事業は「法人向けクラウドサービス事業」の単一のセグメントで、緊急時に簡単に情報共有できるシンプルなクラウドサービス「安否確認サービス」の開発・販売、サイボウズの提供する業務アプリケーション構築サービス「kintone」と連携し、より便利に利用するためのクラウドサービス「kintone連携サービス」の開発・販売の2つのサービスで事業を展開している。安否確認サービスとkintone連携サービスを通して、誰もが便利に簡単に使えるようなクラウドサービスを提供してきた。
安否確認サービスは、災害発生時の被害状況を正確に把握し、従業員などへの指示を迅速に行うなど、企業の災害対策に有用な機能を備えているほか、全社への一斉連絡や出社確認など、コミュニケーションを円滑にする機能をもつことから、新型コロナウイルス感染症による働き方の変化への対応にも有用であり、今後も同サービスを利用する機会は拡大していくものと認識している。そのため、テレビCMなどのマス広告も利用し、安否確認サービスの知名度向上を図ってきた。
kintone連携サービスでは、今年8月現在、7つのサービスを展開している。7つめのサービスである「データコレクト」は、kintone内のデータを収集・計算する新サービスで、3月16日に提供を開始した。なお、各サービスは、便利に使えるだけでなく、誰でも簡単に操作できることを第一に、機能追加とメンテナンスを継続している。
今後の成長戦略としては、重要指標であるMRR(Monthly Recurring Revenue:月額計上収益)を成長させていくことを基本方針としている。新規MRRと追加のMRRを伸長させ、解約のMRRを下げていくことで持続的なMRRの成長を図っていく方針。
20年12月期の業績予想は、売上高10億3600万円(前期比36.1%増)、営業利益1億9200万円(同97.7%増)、経常利益1億8400万円(同87.7%増)、当期純利益1億2000万円(同67.3%増)を見込んでいる。
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