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米HYCU 日本市場に本格参入 Nutanixを補完するデータ保護ソフト
2020/08/27 09:00
週刊BCN 2020年08月24日vol.1838掲載
HYCUは、データ保護・監視製品の開発を手掛けるコムトレード・ソフトウェア(Comtrade Software)から分社化する形で2018年に設立されたバックアップベンダー。分社化前の17年6月からNutanix向けのデータ保護ソリューション「HYCU」の提供を開始し、現在までにグローバルで約1400社が導入。会社実績としては「対昨年で300%」(吉田氏)の成長率で伸びているという。
HYCUは「簡単」「シンプル」を特徴とする。吉田氏によると、「(Nutanixの管理ツールである)『Prism』を使っている人ならすぐにわかる操作性」になっているという。「Nutanix環境の補完」を基本姿勢としており、Nutanixのスナップショット機能と連携した高速バックアップをはじめ、Nutanixの機能を活用しつつ、Nutanixでカバーされていない機能をHYCUで補う。製品はCentOSをベースに必要機能がパッケージ化された仮想アプライアンスの形で提供され、導入にあたっては「3分ほどで展開できる」という。
「Nutanixの展開するポートフォリオに追随していくのがHYCUの目指す方向性」だと吉田氏は説明。HYCUとニュータニックスの開発者は日々チャットで情報を交換し、製品開発やテストで協力するなど「かなり密なやり取りができている」とアピールする。今年3月にはセカンダリストレージ「Nutanix Mine」に対しバックアップ機能を補完するソリューション「Nutanix Mine with HYCU」の提供も開始している。
また、マルチクラウド対応として、HYCUは「Microsoft Azure」「Google Cloud」向けのデータ保護も提供。オンプレミスとクラウドをまたぐ移行を可能にしている。
HYCUは現在、国内ではニュータニックス・ジャパンおよび、昨年9月にディストリビューター契約を結んだダイワボウ情報システム(DIS)を通じて製品展開を行っている。当面は既存顧客やパートナーの支援に注力するとともに、人員を拡充を図りながら、来年以降には国内ビジネスの拡大に動く考え。
吉田氏はアクロニスやヴィーム・ソフトウェアの日本法人立ち上げに携わるなど、バックアップ業界で豊富な経験を持つ。同氏からみてHYCUは、「SMB市場をカバーできる」「Webブラウザーのため日本語化しやすい」ことなどから日本市場で「伸びるポテンシャルがある」と評する。「3年以内にNutanix環境のデータ保護で国内トップベンダーになることが目標」と意気込む。(前田幸慧)
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