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日商エレクトロニクス ERP「GRANDIT」とRPAの統合提案を強化 アドオン開発を抑制し導入コスト削減
2020/08/20 09:00
週刊BCN 2020年08月10日vol.1837掲載
GRANDITは主に中堅企業を対象としたWeb型ERPで、複数のSI企業が参画するコンソーシアムの知見をベースに開発されているが、日商エレはコンソーシアム設立当初からメンバーとして活動してきた。また同社は近年、RPAを中心とした「デジタルレイバー(デジタル労働力)」事業の拡大に取り組んでおり、ERPとデジタルレイバーのノウハウを統合することでより高い業務効率を実現できると判断、今回の新パッケージの提供に至った。
デジタルレイバー for GRANDITでは、日商エレで検証した中で最もGRANDITに適したRPA製品だという、英ブループリズムの「Blue Prism」を活用。ExcelからGRANDITへの転記や、カスタマイズされた帳票の出力といった作業を自動化する。さらに、米アビーのAI OCR製品「ABBYY FlexiCapture」を組み合わせることで、紙帳票のGRANDITへの入力や照合といった業務も自動化可能となっている。
日商エレのエンターブライズ事業本部ERP事業部営業課の西本信浩氏によると、いわゆる“2025年の崖”が迫ってきたことで、ERP刷新でGRANDITを検討する企業が増えており、その提案依頼の中では「『RPAやAIの技術を取り入れた業務効率化』が要件に含まれるケースが多い」という。RPAを活用することで、ERP導入時のアドオン開発コストなどを抑えられる一方、ユーザー企業自身がロボットの保守・運用を行うのは難しいという課題があるが、今回のデジタルレイバー for GRANDITでは、導入・開発から運用・保守までを含むパッケージとすることで、RPA導入のハードルを下げられるとしている。
GRANDITの石川研一取締役は、「コスト要件の厳しいプロジェクトでは、業務を見直すことで極力カスタマイズを減らしているが、それでも外部システムとの連携をどうするかという課題は必ず残る。そこでRPAの活用が有効な解決策となる」と説明。RPAを組み合わせることで柔軟なシステム連携が可能となり、よりノンカスタマイズに近い形態でのERP導入に弾みがつくとの見方を示した。(日高 彰)
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