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NTTテクノクロス、匿名加工情報作成ソフトの新バージョン

2020/06/16 14:28

 NTTテクノクロスは6月15日、自治体・医療機関・健康保険組合などが保有しているパーソナルデータの利活用を促進するため、匿名加工情報作成ソフトウェア「tasokarena(タソカレナ)」に医療やヘルスケア向けの機能を追加した新バージョンを9月から販売すると発表した。

「tasokarena」の利用イメージ

 tasokarenaは、パーソナルデータの特性や利用目的に応じた匿名加工情報の作成を支援するソフトウェア。新バージョンには、加工技法の組み合わせ(加工ルール)について検討を支援するAI機能と、医療・ヘルスケア向けの拡張機能を追加した。

 具体的には、tasokarenaの補助ツールに入力・設定したパーソナルデータの内容から、個人を特定できるかの危険性をAI機能が判別し、そのデータに対して適用を検討すべき加工ルールを提案する。これにより、数十種類ある加工技法からどの技法を適用すればよいかをゼロから検討する手間を削減し、匿名加工情報を扱った経験が少ない医療の現場担当者など、あらゆるユーザーの負担軽減を図ることができる。

 医療・ヘルスケア向けの拡張機能では、自治体・医療機関・健康保険組合などの共通仕様になっているレセプトデータを、tasokarenaで読み込みを可能にする変換ツールを提供する。レセプトデータのフォーマットはレコード識別情報の値によってレコード項目数や記録内容の形式が異なるため、匿名加工情報を作成する場合には、事前にユーザーによるデータの形式を合わせるなどのクレンジング処理が必要だった。変換ツールを使用することでユーザーの手間を削減でき、変換後のレセプトデータから作成した匿名加工情報を再び元のレセプトデータのフォーマットに戻すことが可能。これにより、既存のレセプトデータの分析システムでも匿名加工情報を利活用できる。

 また、投薬日のデータなど日付の間隔を保ったまま加工する技法を追加した。これまで投薬の順序を維持した状態で日付をランダム化することは可能だったが、「投薬の順序を維持するだけでは新薬開発などには活用しづらい」「日付は基準日を基にした加算を行いたい」という声が製薬会社などから寄せられていた。現場の声を反映した加工技法の追加により、医療やヘルスケアでの匿名加工情報の利活用を促進する。

 さらに、同一事業者内での情報共有の安全性を高める目的として、自由記述欄に含まれる個人情報を削除するマスキングツールを提供する。自由記述欄の医師の所見や患者の診療記録などに含まれる氏名や住所に関する個人情報は、ユーザーの手作業によるマスキングが必要なため、大きな負担になっていた。マスキングツールは自然言語解析により、文章の中から氏名や住所などを自動で判別し、削除を可能にする。これによりユーザーの作業負担を軽減しながら、情報共有での安全性の向上を実現する。

 税別価格は、スタンダード版(GUI版)が年額60万円から、エンタープライズ版(スタンダード版+自動実行/データ連携機能)が年額180万円から。
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外部リンク

NTTテクノクロス=https://www.ntt-tx.co.jp/