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ガートナージャパン テレワークはセキュリティの確保が生命線 まずは新たなルールづくりを

2020/05/15 09:00

週刊BCN 2020年05月11日vol.1824掲載

 ガートナージャパンは4月24日、 新型コロナウイルスの感染拡大の 影響でテレワークが急速に拡大して いる状況を受け、情報システムの責 任者がセキュリティ面で留意すべき 事項とその解決策を発表。安全な テレワークの推進を呼びかけた。矢 野薫・シニアプリンシパルは、「セ キュリティに対する不安を抱えたま まテレワークを進めると、最終的に 利便性までも阻害することになりか ねない」として、丁寧なセキュリテ ィ対策がテレワークには必須である ことを強調した。

 同社がテレワークを取り巻くセキ ュリティの状況についてまず指摘したのは、これまでテレワークを検討 してこなかった企業が相当数存在 し、そうした企業はそもそもテレワー クに際して「何からセキュリティ対策 を始めればいいかが分からず、テレ ワーク自体の検討や実施が思うよう に進んでいない」という現状だ。また、 従来テレワークに取り組んでいた企 業も、多くは短期的、限定的な実施 にとどまっていたため、今回の新型 コロナショックのように長期的かつ 全社規模でのテレワークが突然必要になることは想定していない。

  同社は「これまでのセキュリティ・ ルールを当てはめようとしても、従 来の環境とは前提条件が異なるた め、不整合が起こる可能性がある」 と警告。その上で、「特にテレワー クの場合には、デバイスやデータの 取り扱いルールについての見直し、 従業員向けのトレーニングの実施、 インシデントに対応する社内体制の 再強化など、併せて検討すべき事 項がある」(矢野シニアプリンシパ ル)として、新たなセキュリティ・ ルールを作るところから始める必要 があると訴えた。 

 また、セキュリティが十分ではないのに、テレワークを早急に実施し たいという要望が現場から上がって くる場合も想定し、経営者や事業 部門のリーダーとコミュニケーションを取り、コストやタイミングを含 めて、自社で実施可能なテレワーク の範囲についての全社的な合意形 成をリードすることに労力を割くべ きだとも指摘する。 

 個人所要のPCやスマートフォン の業務利用を許可するかという課 題も当然浮上する可能性があるが、 会社側が管理できる仕組みを実装 しつつ、限定的な利用にとどめるの が「現実的な対応」とした。さらに、 「Microsoft 365」や「G Suite」、各 種のファイル共有サービスやチャッ トツール、Web会議ツールもテレワ ークを後押しするソリューションだ が、これらについては、各エンドユ ーザーのセキュリティ設定の一元管 理や運用ルールの設定・周知を徹 底することの重要性を説いている。(本多和幸)
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