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グリッド 社会インフラの課題をAIで解決 量子時代を見据えた開発も
2020/05/01 09:05
週刊BCN 2020年04月27日vol.1823掲載
同社は2009年10月設立。当初は再生可能エネルギービジネスを主力事業としていた。九州にある発電所の効率化を進めるうちに、AIの利用に可能性を感じ、14年ごろからAI事業をスタートさせた。
現在の従業員は約90人で、うち約50人がエンジニアの構成。機械学習やディープラーニング、最適化などのアルゴリズムを実装するリノームを提供しているほか、顧客の課題に合わせてAI活用を支援するビジネスを展開している。
ターゲットにしているのは、電力や鉄道、通信、道路などの「社会インフラ」(曽我部代表取締役)の領域だ。AIを使って電力ネットワークの最適化などに取り組んでいるほか、最近では、出光興産、三井物産の2社と共同で、配船計画をAIで最適化する実証実験を始めた。
曽我部代表取締役は「人口が減少していく中、老朽化している社会インフラをこれまでと同じように高いレベルで維持するためには、今までのやり方では難しくなってくる」と指摘し、「AIのパワーを使うことによって、より低コストで安全に維持できるようになるはずだ」とみる。
さらに、曽我部代表取締役の兄であり、同社の共同創業者でもある電気通信大学の曽我部東馬准教授と協力し、複数の新興テクノロジーについての研究開発も進めているという。
一例が量子コンピューター関係の研究開発だ。昨年は、クラウドを通して量子コンピューター「IBM Q」が利用できる「IBM Q Network」に参加した。今後は量子機械学習アルゴリズムや量子コンピューター向けソフトウェアの開発も推進する方針だ。
曽我部代表取締役は「量子コンピューターは、今のコンピューターと比べて計算能力の面で優位性がある」とし、「今後、ハードウェアが進化した時に、応用の仕方が分かっていた方が有利になる。今はその時に備えてアルゴリズムなどの発明をしている」と語る。(齋藤秀平)
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