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AWSジャパン、ソニー銀行がAWSの利用可能範囲を全業務に拡大へ
2020/01/21 18:00
01年にインターネットを活用した個人のための資産運用銀行として開業したソニー銀行は、円預金、外貨預金、投資信託、住宅ローン、投資型クラウドファンディングなどさまざまな金融商品・サービスを提供している。ソニー銀行が最初にAWSを採用したのは、柔軟性、機敏性、運用効率の向上、ITコストを最適化するため。また、AWSがISO/IEC 27001、PCI DSS、SOC1など主要な外部認証を全リージョンにわたって取得・維持していること、加えてFISC 安全対策基準への適合性などセキュリティ情報を積極的に公開・開示している姿勢を高く評価したこともAWSを採用した理由としている。
ソニー銀行では、13年末にAWSの利用を開始し、通常業務を行う社内システムではすでにAWS移行が完了している。銀行システムについても融資審査システム、市場系システム、管理会計システムなどがAWS上で稼働しており、19年時点で約50のサービスがAWS上で稼働している。これにより、新たなITインフラのセットアップとデプロイに要する時間を、オンプレミスに比べて約50%削減したほか、運用コストについても40-60%程度の削減効果が得られている。
18年2月に開設されたAWSの大阪ローカルリージョンは、顧客の社内コンプライアンス上設定されている、アベイラビリティゾーン間の距離に関するガイドラインに準拠しつつ、クラウドコンピューティングの利点を享受してもらうため、新たに設計したデータセンター群。今回、多くの顧客からの要望を受け、3つのアベイラビリティゾーンを有する完全なリージョンとして、21年初頭に「大阪リージョン」を開設することを発表した。この拡張により、これまで以上にさまざまなAWSサービスを、すべての顧客が利用できるようになる。大阪リージョンはアジアパシフィック地域で、北京、香港、ムンバイ、寧夏、ソウル、シンガポール、シドニー、東京に加えて、9番目のリージョンとなる。
今回の発表について、ソニー銀行 執行役員(システム企画部、システム開発部、システム管理部 担当)の福嶋達也氏は、「AWSは、当社のQCD(Quality/Cost/Delivery)をバランスよくレベルアップするためのキーテクノロジーとして位置付けられている。勘定系システムにAWSを採用するには、自然災害や停電などのリスクを最小限に抑えるために、日本国内の複数のリージョンを必要とする。18年の大阪ローカルリージョン開設をふまえ、当社は銀行システムで最も重要なシステムの一つである財務会計システム(総勘定元帳)のAWS移行を決定した。そして今回、大阪リージョンが21年初頭に新たに開設されることを受け、AWSを最大限活用すべく、当社の勘定系システムを含む全システムでAWSを利用可能とする方針を決定した。これにより、顧客に最新のテクノロジーで最適な提案をするために、当社のイノベーションをさらに加速していく」と述べている。
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