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ネットラウンズジャパン 仮想化/クラウド基盤での品質低下をいち早く検知 楽天モバイルの携帯網にも採用

2019/12/26 09:00

週刊BCN 2019年12月23日vol.1806掲載

 スウェーデンに本社を置き、サービス品質管理ソリューションを提供するネットラウンズ(Netrounds)は、大規模なネットワークやクラウド基盤を保有する日本企業向けの営業活動を強化している。複雑なITインフラを通じて提供されるサービスの品質を常時継続してモニタリングできるのが特徴。国内ではすでに複数のサービス事業者での採用実績があり、11月には楽天モバイルの携帯電話サービスに導入されたことが発表された。

大久保淳仁
カントリーマネージャー

 従来、サービス品質のモニタリングでは、ネットワーク機器などから出力されるログデータを分析する、運用監視ツールが発するアラートを活用するといった方法があったが、実際には応答時間の極端な長期化といった問題が実際に発生し、ユーザーから指摘の声が挙がって初めて品質の低下に気付くというケースは多い。また、物理的な機器でITインフラが構成されていた時代には各機器を調査することでボトルネックを発見できたが、近年はサーバーやネットワークが仮想化され、社外のクラウドサービスにもシステムがまたがっているため、品質の計測自体が難しくなっている。

 これに対してネットラウンズの品質管理ソリューションでは、エンドユーザーの端末と同じようにふるまうソフトウェア(テストエージェント)を展開し、実際にパケットを送出しながら定期的に品質をチェックする。これにより、インフラの構成にかかわらず高い精度でサービス品質を可視化でき、事業者はユーザーから指摘を受ける前に品質の劣化を把握することが可能になる。

 日本法人ネットラウンズジャパンの大久保淳仁カントリーマネージャーは「ログ解析を中心とした従来の品質管理手法では、問題が発生してからの事後的な対応になりがちなほか、運用担当者のスキルや経験に依存するという問題もあった」と指摘。サービス事業者は同社製品の導入によって、設計時に想定した品質が維持できているかを継続的にモニタリングし、トラブルにも迅速に対応できるようになるとした。

 シスコシステムズのネットワークオーケストレーターと連携した運用が可能となっており、販売面でもシスコとの協業を軸にユーザー層の拡大を狙う。主なユーザー層は通信事業者だが、大規模なIT基盤を通じてサービスを提供している業種からニーズがあるといい、国内では金融大手などにも提案を図っていく考え。(日高 彰)
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