ニュース
NEC、「清流長良川」でアユの遡上数を自動計測するシステムの実証を実施
2019/11/28 14:00
日本三大清流といわれる長良川は、2015年に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されるなど川の漁が盛んだ。水資源機構は、長良川河口堰の運用開始以降、河口堰の魚の遡行を補助するために河川、ダムなどに人工的に設けられた通路「魚道」を遡上するアユの稚魚の調査を、遡上が確認され始める4月から6月末までの間、ほぼ毎日実施している。
これまでの調査は、魚道にカメラを設置し、日の出から日没までの約12時間録画した映像を目視で計測していた。より効率的な計測方法を目指し、AIを用いた自動計測システムの検討・実証を行った。
今回開発したシステムは、魚道に設置したカメラ映像をクラウド上に保管し、あらかじめAIで学習させた稚魚の泳ぎ方から、アユかアユ以外かの魚種判定を行い、自動でアユの遡上数を計測する。
今回の実証では、天候や日照条件に左右される屋外の映像でも約94%の精度となる計56万匹のアユをほぼリアルタイムで計測し、目視での計測と比較して、計測品質の均一化や計測業務効率化の効果を確認した。
NECは、魚道での計測調査を同様に実施している他の施設への応用・展開を視野に入れ来年度の実用化を目指す。
- 1
関連記事
NTT東日本、衛星データ活用を推進、まずは農業・漁業の分野から着手