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テンセント、クラウドで上海のスマート化を加速へ
2019/11/20 18:00
テンセントのクラウド・スマートインダストリー事業群を統括する湯道生総裁は、昨年、上海市と協力関係を強化する協定を結んで以来、教育や小売の領域に自社の技術を投入していることを紹介し、「上海市との協力関係をグレードアップできることをうれしく思う」とあいさつした。
その上で、スマート化に向けて協力することを盛り込んだ協定を上海市楊浦区人民政府と結び、「テンセントの人工知能やクラウドコンピューティング、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの新しい技術を、都市の建設や政府の管理、生活サービスに融合させ、スマートな楊浦区をつくる」と訴えた。
湯総裁の発言には、中国政府が強化を目指すブロックチェーンも含まれている。テンセントは、本拠地の広東省深セン市で、ブロックチェーン技術を活用した請求書システムを開発しており、楊浦区でも同じような取り組みを進め、技術の発展を目指す可能性がある。
テンセントは、主力としてきたゲーム事業が伸び悩む中、法人向けクラウド事業の拡大に注力している。海外進出にも積極的で、今夏に日本市場への進出を発表した。これまでクラウド部門のイベントは複数あったが、2019年から「テンセント・グローバル・デジタル・エコシステム・サミット」に一本化し、雲南省昆明市と四川省成都市で開催してきた。
テンセントが各大会で強調しているのは、パートナーエコシステムの重要性だ。上海大会でも同様で、湯総裁は「製品と技術を良くするだけでなく、各業界の知識についてはパートナーの力を借りる必要がある。われわれは、パートナーとともにエコシステムを構築することを希望している」と説明し、「上海と華東地域の産業経済や社会の管理、公共サービスなど、さまざまな領域の全面的なデジタル化のアップグレードを一緒に実現しよう」と呼びかけた。
(上海支局 齋藤秀平)
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